下呂温泉、脱炭素社会へエコプラン CO2フリー宿泊を促す
岐阜県下呂温泉で、脱炭素化社会の実現に向けたCO2削減の宿泊プラン造成の取り組みが本格化する。太陽光発電など再生可能エネルギーによる「CO2フリー電気」を使って旅館ホテルに宿泊することで、地球環境に配慮した温泉地のイメージ醸成と、脱炭素社会構築の一員としてアピールする。
事業は「ecoチャレンジ下呂温泉」。下呂温泉観光協会と中部電力ミライズが共同で進める。旅館ホテルがCO2フリー電気を使用する契約を結び、新たな宿泊エコプランをつくる。
エコプランのイメージは、通常の宿泊プランにCO2削減費用(1人1千円)を上乗せして販売。旅館ホテルは宿泊客の負担金1千円の一部をCO2削減対策費として中部電力ミライズに支払う。同社はCO2フリー電気を旅館ホテルに供給するほか、CO2フリー購入証書を発行する。
またエコプランの特典として、客室のグレードアップや次回宿泊優待券、土産購入補助券、CO2フリー貢献証明書などを旅館ホテルが宿泊客に提供する。「#エコチャレンジ下呂温泉」でSNSに投稿すると、お得に下呂温泉に滞在できる仕組みも検討している。
下呂温泉観光協会の瀧康洋会長は「下呂温泉観光協会は2020年にSDGsの認定を受け、下呂市の魅力を伝えるために持続可能な地域を目指し、様々な事業に取り組んできました。特に経済的側面における宿泊滞在型エコツーリズムの確立を目指す中でCO2削減が切り離せない課題であり、まさしく今から取り組むべき優先課題です。これからも旅行者と旅館で新たな『エコチャレンジ』に取り組んでいきたい」と話している。
脱炭素社会への取り組みが世界的なトレンドとなる中、いち早く具体化させる下呂温泉の取り組みは注目を集めそう。早ければ年内にも一部旅館ホテルでエコプランの導入が始まる見込みだという。
情報提供:トラベルニュース社