観光庁、国立博物館でUベニューセミナー開催、活用促進へ
観光庁は2月15日、東京国立博物館の表慶館で「ユニークベニュー活用推進セミナー」を開催した。同庁は昨年度から、MICE誘致の拡大に向けてユニークベニュー活用の促進事業を開始し、11月には迎賓館赤坂離宮で内閣官房長官の主導による交流イベントを開催しているが、活用促進のためのセミナーをユニークベニューで開催するのは今回が初めてとなる。この日は旅行会社や地方自治体などから約60名が参加した。
冒頭で挨拶した観光庁国際観光課長の田中由紀氏は、ユニークベニューの活用促進が「観光ビジョン実現プログラム2016」においても重点施策として掲げられていることを説明。出席者には「ユニークベニューは重要な資源。利用するための申請手続きなどは煩雑な場合もあるが、施設にとっては維持費用などを稼ぐ手段になる」と語り、施設側にメリットをしっかりと示すことで、利活用を進めることができるとした。
この日は84のユニークベニューが加盟する「ユニーク・ベニューズ・オブ・ロンドン」のゼネラルマネージャーのリサ・ハッツウェル氏が講演を実施。スペンサー・ハウスやテート・モダン、ロンドン塔などの活用事例を紹介した。また、Business Events Hiroshima代表の下岡憲子氏も「街づくりとユニークベニュー」と題した講演をおこない、その後は有識者によるパネルディスカッションを実施した。
この日の会場となった表慶館は、1909年に開館した日本初の本格的な美術館で、設計は迎賓館なども手がけた宮廷建築家の片山東熊が担当。明治末期の洋風建築を代表する建物として、78年には重要文化財に指定されている。