日本観光振興協会（日観振）と日本旅行業協会（JATA）はこのほど、今年で第2回の「ジャパン・ツーリズム・アワード」の大賞と各賞計35点を決定した。同アワードは、国内外の企業や団体などの持続可能で優れた取り組みを表彰するもので、大賞は「飛騨高山国際誘客協議会」の「官民協働での外国人観光客の誘致・受入」が受賞した。9月22日の「ツーリズムEXPOジャパン2016」の開会式で表彰する。

　ツーリズムEXPOジャパン推進室によれば、飛騨高山国際誘客協議会の取り組みについては、外国人観光客の誘致・受入の先駆的なモデルであること、持続的な取り組みが外国人旅行者を惹きつけていること、周辺地域を巻き込んだプロモーション活動で今後も拡大が期待できることなどを評価したという。なお、昨年の第1回では高山市が、国内・訪日領域の「地域マネジメント部門」で部門賞を受賞している。

　今回のアワードは「国内・訪日領域」「海外領域」の2つの領域と「UNWTO（国連世界観光機関）部門」で構成。2つの領域でそれぞれ「領域優秀賞」を設けるとともに、「国内・訪日領域」は「ツーリズムビジネス部門」「プロモーション部門」「地域マネジメント部門」の3部門を、「海外領域」は「ツーリズムビジネス部門」「プロモーション部門」の2部門を設定した。また、新たに「ツーリズムEXPOジャパン2016特別賞」も設けた。

　応募期間は4月1日から6月7日までで、今年は前回から25件増となる158件の応募があった。このうち、国内・訪日領域は116件、海外領域は36件、UNWTO部門は6件。最も応募件数が多かった部門は、国内・訪日領域の「ツーリズムビジネス部門」で54件だった。

　ツーリズムEXPOジャパン推進室によれば、今年の受賞企業や団体の傾向としては、訪日事業や地方創生、ユニバーサルツーリズムに取り組んだケースが見られた。このほか、海外領域の優秀賞を受賞した日本航空（JL）の「JALホノルルマラソン」など、長年に渡り実績を積み重ねてブランド化を進めた取り組みや、人材育成に関する取り組みも目立ったという。各賞の受賞結果の詳細は以下の通り。

▽第2回「ジャパン・ツーリズム・アワード」、受賞結果（UNWTO賞は理由も併記）

＜大賞＞
飛騨高山国際誘客協議会／「官民協働での外国人観光客の誘致・受入」
（応募：国内・訪日領域地域マネジメント部門）

＜国内・訪日領域＞
●領域優秀賞
・クラブツーリズム／「世界初！視覚障がい者夢の自動車運転体験ツアーの実現」
　（応募：ツーリズムビジネス部門）
・沖縄観光コンベンションビューロー／「沖縄県めんそ～れ～沖縄観光学習教材」
　（応募：地域マネジメント部門）

●ツーリズムビジネス部門
【部門賞】
・座間味村ホエールウォッチング協会／「ホエールウォッチング」
・エコツアーふくみみ／「家族連れで楽しむ石垣島の自然体験ツアー」
・全日空／「Tastes of JAPAN by ANA」
・日本旅行／「『トムソーヤクラブ』による子供だけの自然体験ツアーへの取組み」
・「燕三条工場の祭典」実行委員会／「燕三条工場の祭典」
・新潟総踊り祭実行委員会／「にいがた総おどり」
・ジェイティービー／「JTBの交流文化事業を象徴する『JTB交流文化賞』」※2年連続受賞
・日の丸自動車興業／「訪日観光客受入れを視野に入れた2階建てオープンバス『スカイバス』の先駆的運行と新しい都市観光ビジネスの開拓」
・はとバス／「訪日外国人対象、通訳案内士ガイドによる東京および東京近郊の観光バスでの案内」

【奨励賞】
・ツアー・ステーション／｢『祭礼行事』の本質に触れる『着地型観光』と『発地型観光』の2WAYツーリズム」
・鶴雅ホールディング／「鶴雅グループが取り組む『鶴雅観光人材養成講座』事業」

●地域マネジメント部門
【部門賞】
・長野―新潟スノーリゾートアライアンス実行委員会／「スキー観光客等誘致推進事業」
・NPO法人神岡・町づくりネットワーク／「レールマウンテンバイクGattanGo‼（ガッタンゴー‼）」
・九州観光推進機構／「『九州オルレ』の取り組み」
・スタービレッジ阿智誘客促進協議会／「『日本一の星空』スタービレッジ阿智の取組」※2年連続受賞
・真庭観光連盟／「バイオマスツアー真庭」
・ちいおりアライアンス／「三好市東祖谷落合滞在型観光まちづくり事業」

●プロモーション部門
【部門賞】
・和歌山県観光連盟／「週末は聖地へ～時忘れの旅～。」
・JTBパブリッシング／「国内外の人々と旅行者を繋いで32年・通巻5000号達成、旅行情報誌『るるぶ』の地域活性化に関する取り組み」
・i.JTB／「訪日外国人向け宿泊・ツアー予約サイト『JAPANiCAN.com』における地域誘客プロモーション」
・山陰・山陽花めぐり街道協議会／「山陰・山陽花めぐり街道」

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