ジャパン・ツーリズム・アワード、大賞は瀬戸内-UNWTO部門賞はJTB
ツーリズムEXPOジャパン組織委員会は9月24日、第1回ジャパン・ツーリズム・アワードの表彰式を開催した。同アワードはツーリズム業界の発展と拡大に貢献し、ツーリズムEXPOジャパンとのシナジーに寄与する取り組みや、国内と海外の団体、組織、企業の持続可能で優れた取り組みを表彰するもの。「国内・訪日領域」と「海外領域」、「国際領域(UNWTO部門賞)」の3領域が対象で、すでに国内・訪日領域と海外領域の部門別優秀賞と部門賞は発表済み。表彰式では両部門から大賞を1件選定するとともに、UNWTO部門賞1件を発表した。大賞は「瀬戸内国際芸術祭実行委員会」の「瀬戸内国際芸術祭の開催による地域再生の取組」が、UNWTO部門賞はジェイティービー(JTB)が受賞した。
主催者を代表して挨拶した日本観光振興協会(日観振)会長の山口範雄氏は、同賞の趣旨について「日本国内外に観光の力を発信する」と説明。また、「これらの賞をツーリズムEXPOジャパンで広く周知することにより、国民の皆さんの関心を高め、国策の地域創生や企業の取り組みに光を当てていきたい」と意欲を示した。
来賓として登壇した観光庁観光地域振興部長の吉田雅彦氏は、現在の日本の観光業界について「好調なインバウンドの効果を日本全国に波及させることや、国内旅行の活性化が今後の課題」と指摘。その上で、海外、国内、訪日の幅広い分野を表彰する同賞については「先進事例として全国に波及させ、観光マーケットの拡大に繋げることができる」と評価し、ツーリズムEXPOとの連携による認知度の向上に期待した。
UNWTO理事・アジア太平洋地域部長のスー・ジン氏は、「賞の創設を機に、日本の観光産業とUNWTOがともに世界観光倫理憲章へに対する理解を広め、憲章に沿った活動で観光産業の発展をめざしたい」と意欲を示した。
審査は「先駆性」「持続性」「発展性」「社会性」を基準に実施。大賞を受賞した瀬戸内国際芸術祭実行委員会は、瀬戸内の魅力をアートとして発信し、「瀬戸内国際芸術祭」としてブランド化したことや、取り組みに今後の持続性や発展性が期待できること、地域への経済効果も大きいこと、海路の活用により瀬戸内海全域の観光連携が期待できることなどが高評価を得た。
一方、UNWTO賞のJTBは自然環境の保護、文化遺産の価値向上、受入国や地域社会に資する活動など、さまざまな分野における長年の取り組みが、日本および世界の観光産業の模範となることが評価された。