日本旅行、ヨーロッパデスク設置で販売力が向上−仮予約率も上昇

  • 2010年10月29日
 日本旅行によると、2009年に関西4店舗に設置したヨーロッパデスクの取り組みが店頭スタッフの販売力やモチベーションの向上につながっている。ヨーロッパデスクは、ベテラン添乗員が来店者のニーズにあった旅行相談に1対1で対応し、旅行商品への理解を深めてもらい、安心して商品を申し込んでもらおうというもの。開設から約1年が経過し、添乗員と店頭スタッフが連携して対応することで仮予約率も上昇しているという。今後、新たなヨーロッパデスクの設置も視野に入れ、店頭だからこそできるサービスを提供していく。

 関西4店舗ではデスク開設後、5ヶ月目以降順調に推移しているが、数値的な成果以上に店頭の販売力の向上や人材育成への効果が表れているという。例えば週末にのみヨーロッパデスクを開設している店舗では、平日の来店者がより深い内容を知りたい場合には週末のヨーロッパデスクへの来訪を促すことで、消費者は安心感を持って商品に申し込めるようになった。

 また、添乗員が店頭スタッフ向けのミニセミナーを実施し、知識やノウハウを提供することで店頭スタッフのスキルアップにつながっている。今年の春から日本旅行が実施しているヨーロッパエキスパートという社内の資格制度も、ヨーロッパデスク設置店舗のスタッフは積極的に取り組んでいるという。

 今後の課題としては、熟年層の取り込みだ。ヨーロッパデスクを設置したTiS大阪、天王寺、京都四条、TiS三ノ宮の4店舗はいずれも駅内にあり、仕事帰りの社会人やハネムーナー、母娘、学生など幅広い層が利用しているものの、ヨーロッパ商品のコアターゲットとなる熟年層はそれほど多くないという。今後はヨーロッパデスクの強みを活用し、熟年層の取り込みにつなげたい考えだ。