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オーストリア、モノツアー強化で滞在価値の向上−来夏140名の研修旅行実施

  • 2009年7月2日
 オーストリア政府観光局は6月30日、毎年恒例の「オーストリア・トラベルセミナー」を東京で開催、今年はオーストリア独自の素材を盛り込んだモノツアーを強化する考えを示し、商品造成を訴えた。オーストリア政観によると、昨今は中欧の1ヶ国としてオーストリア(ウィーン)を訪問するツアーが多く見られるが、実際にはオーストリア国内を周遊する旅行もアクティブシニア層を中心に根強い人気を誇っているという。オーストリア政府観光局マーケティングマネージャーの神田博夫氏は、「歴史・文化・自然が1つの小さな国の中につまっているのがオーストリアの強み」であると説明、現在日本人の平均宿泊数が約2泊という状況だが、オーストリア1ヶ国滞在の価値を改めてアピールすることで、宿泊数を1週間程度に増加させるねらいだ。

 また、ウィーン在日代表部 観光・経済開発担当アシスタントマネージャーの田中昭子氏も、「最近はオーストリアに3泊以上滞在するツアーが少なかったため、お客様からの問合せがあった」と語り、観光局サイドがモノツアーに注力することになった背景を説明。ウィーン観光に関しては、ミーティングのデスティネーションとして注目されていることを挙げ、MICEに限らず「人々が集う街」を視点に誘客をはかるという。田中氏は、ホーフブルク王宮やコンサートホールなどユニークな会場での食事や集会を提案し、「差別化が重要」と訴えた。

 今回のセミナーでは、オーストリア政観が作成したプランニングガイドに沿って、モデルプランと各素材の魅力を詳しく解説。神田氏はこれについて、「最近は旅行会社の企画担当者が実際に(現地を)見て商品を造る機会が少なくなってきている」と指摘し、オーストリアについての理解を深めてもらうために「あえて詳細まで提案した」と語った。今週末には一部の大手旅行会社を対象に1週間の研修旅行を実施、セミナーで紹介したコースを実際に見てまわるという。さらに来年夏には140名の大型研修旅行を実施する予定であることを、オーストリア政府観光局局長のミヒャエル・シュトラッサー氏が明らかにした。オーストリアのスペシャリストを中心に業界関係者を募る予定で、既に航空会社にも声をかけているという。

 なお、オーストリア政観は今年も9月から11月の3ヶ月間、「オーストリア・アカデミー」を開催する。専門的な知識を持つ人材を育成し、合格者にはスペシャリストの認定書が発行されるという。神田氏は「まずは社内でアピールしてもらいたい。そしてスペシャリストが商品を造成することで、お客様にもアピールできるのでは」と期待を寄せている。