マレーシア、MICE専門組織を発足、誘致促進を強化−日本に専任者配置も

  • 2008年12月19日
 マレーシアはこのほど、MICEの専門組織「MyCEB」(マレーシア・コンベンション・アンド・エキシビション・ビューロー:通称、マイセブ)を発足、官民をあげてMICEデスティネーションとしてのプロモーションを推進し、世界からの誘致を強化する。マレーシア政府観光局(TM)が12月17日に開催した、「マレーシア観光/MICEセミナー」で発表した。

 来日した、MyCEBのディレクターのモハマッド・ロスリー・セラマット氏はMYCEBについて、「MICEのためのワンストップセンター」と説明。会議局やマレーシア航空(MH)、各州、地域の展示会場、空港のほか、警察や税関・通関など入国管理を含む政府機関も加わり、MICE開催に向けた各種支援や情報・ノウハウの提供、専門的なアドバイスなどをする。ロスリー氏は「さまざまな形態のMICEにも一ヶ所で対応するセクション。MICEを促進するため、“チームマレーシア”が集結した」とアピールする。

 ロスリー氏は発足の経緯について「周辺諸国でMICE専門部署の発足が増えた。また、国内のMICE関連のセクターが増加し、コーディネーターの役割を果たす機関が必要だった」と説明。また、MICE専門部署をおくことで「TMはさらにレジャー化できる」というねらいもあるという。

 MyCEBはキーマーケットを、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本、韓国、中国とし、それぞれ1名のマーケティング専任者を置く予定だ。2007年にMICE関係でマレーシアを訪れた訪問者は約130万人で、これは全体の5%。MICE関連での収入は31億7000万リンギット(約8170億円)で、観光全体の売上の6.7%に及ぶ。MyCEBでは2011年までに、MICEでの入国者数、および収入額のシェアをそれぞれ10%に引き上げることを目標に活動していく。旅行者1人あたりの平均支出額は3132リンギット(約8万円)で、通常の観光客に比べて43%多いという。

 現在、MyCEBでは現金支給や現物支給などを含めたインセンティブ・パッケージを設定した。日本での専任者は今後、半年をめどに専任する予定だ。


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