トリップアドバイザー、正式サービスを開始−試験サービスに79万人が集まる

  • 2008年10月23日
 トリップアドバイザーが10月22日、日本でのサービスを正式に開始した。同社では7月から試験的なサービスを開始、9月の実績で月間ユニークユーザーが79万人、日本語クチコミ数は約4万4000件にのぼる。代表取締役の山本考伸氏は「試験的にサービスを開始したが、200万から300万のユニークユーザーで大きなサイトと位置づけられる中で、3ヶ月間に79万人に達し、うれしい驚き」と、今後の拡大に自信を示した。なお、同社は日本語のクチコミの収集を目的として、アップルワールドの約3万6000件のクチコミの提供を受けたほか、日本航空(JL)のJALマイルプレゼントキャンペーンで体験談の共有を促している。

 トリップアドバイザーはエクスペディアのグループ企業で、アメリカをはじめ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、インドの各国で展開。全世界では、6万1000都市、ホテル27万施設、観光名所7万8000ヶ所、レストラン46万9000件を網羅しており、日本語サイトでもこうした海外のクチコミについても参考にできるように検討する。こうした幅広い観光関連のクチコミは、希望する予算帯で検索するといった特徴がある。さらに、山本氏は旅行会社のパッケージツアーではフリープランが多く、ホテル・旅館を選択できる場合も多いことから、パッケージツアーの購入者にも利用をしてもらう機会があると見込んでいる。


▽トリップアドバイザーの兄弟ブランド展開の可能性

 来日したトリップアドバイザー・グローバルコミュニケーションズ・ヴァイス・プレジデントのミシェル・ペリー氏は、航空運賃の価格を比較する「エアフェア・ウォッチドッグ」、航空座席のクチコミ「シートグル」など、グループのブランド展開については可能性を否定しないものの「短期的にはトリップアドバイザーの定着に尽くしたい」と述べるにとどめている。ただし、同社のシステム担当者は「トリップアドバイザーはカスタマイズしやすい。他のブランドはそれぞれの市場での可能性を探りつつ展開することになるだろう」とコメント。携帯電話での展開についても、「失敗することは恐れてはいない。(市場への普及率が一気に高まる時点である)クリティカル・マスを獲得した時点で考える」とし、「(アメリカで展開する各種のブランドを)クローン・サイトとして展開するか、カスタマイズするかなどを含め、成功に至る方策を考えたい」と、他のサイトや新規サービス展開にも積極的な姿勢を示した。


▽関連記事
世界最大のクチコミサイトが日本上陸へ、検索の優位性をアピールへ(2008/10/14)


▽トリップアドバイザー
http://www.tripadvisor.jp/