中部、在日ブラジル人の需要獲得キャンペーンで効果−07年は旅客数1万人増

  • 2008年10月14日
 中部国際空港は2008年1月から、中部地域に居住する在日ブラジル人の里帰り需要を取り込むキャンペーン「ボエ・ド・セントレア(セントレアから飛ぼう)」を展開、効果が出始めている。06年の調査によると、在日ブラジル人の約67%が中部地域に居住しているにもかかわらず、名古屋発サンパウロ行き旅客の利用空港別シェアは、中部空港からが33%の約7700人にとどまり、成田空港からが67%の約1万5700人となっていた。その後、エミレーツ航空(EK)がドバイ/サンパウロ線に就航したこともあって2007年は成田が45%で1万4200人、中部が55%で1万7400人に逆転。キャンペーンの開始後は、2008年上半期で成田が23%で3400人、中部が77%で1万1300人となっている。

 キャンペーンでは、サンパウロ線に接続可能な航空会社7社や南米方面を取り扱う旅行会社などと協力し、プロモーションを展開。具体的には、協賛航空会社の乗り継ぎ便の利便性をアピールするためのブロシャーやキャンペーンポスターを作成、旅行会社に配布。特に航空会社4社とは、ラジオのポルトガル語番組でアピールした。また、中部国際空港利用促進協議会では、中部空港と就航航空会社を紹介するポルトガル語版のパンフレットを2万部作成、空港内や旅行会社、レストランなどで配布したところ、増刷を求める声が多数寄せられ、改訂版5万部を追加発行した。さらに、「ブラジルフェスタinセントレア」の開催や、「愛知ブラジル交流フェスタ」へのブース出展なども実施、航空会社各社の路線をピーアールした。キャンペーンは2009年3月まで継続する。

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