加・BC州、2015年に向け観光予算を倍増、次の冬期五輪開催地をPR

  • 2006年3月7日
 カナダのブリティッシュ・コロンビア州観光局社長兼最高責任者のロッド・ハリス氏が来日、2010年の冬季オリンピック前後の2005年から2015年までの10年間で観光予算を現在の10億カナダ・ドルから20億カナダ・ドルへ倍増することを明らかにした。日本マーケットへの予算も拡大している状況。その一環でこのほど、「いいね、こころが深呼吸」をキャッチコピーに、東京で30代の女性をターゲットに第1弾「バンクーバーキャンペーン」を実施。そのほか、ウェブサイトの拡充を進めるなど、一般消費者、および旅行業界に向けたプロモーションを積極的に展開する。
 1月に開催された日加観光会議では、2010年までにカナダへの日本人訪問者数の目標を80万人とし、今年は50万人と設定している。2005年のBC州への日本人訪問者数は24万84人と2000年に比べ14%下回る状況だ。ロッド氏は、「航空会社の運航便数や機材の問題をはじめ、カナダ・ドルが強いこと、燃油サーチャージ徴収の問題がある」とコメントし、懸念材料があるものの、同州としてはOL層をはじめ、母娘、シニア層、SIT向けに旅行スタイルを提案し、オリンピックに向け躍進する同州を打ち出し、需要喚起を目指す。

 BC州では2010年のオリンピックに向けて着々と準備が始まっている。まず、バンクーバー国際空港/ダウンタウン間には2009年、新たな交通手段「カナダ・ライン」が完成予定で、このほど工事を着工。そのほか、バンクーバー国際空港では2008年を目処に完成を予定する、国際線ターミナルの拡張工事を実施している。さらに、オリンピックは主に、バンクーバーで室内競技、ウィスラーで室外競技、バンクーバー/ウィスラー間の地域でも数種目が行われる予定であることから、バンクーバー/ウィスラー間の道路拡張工事を進めるなど、輸送量の拡大を図る取組みが進行中だ。

 また、日本人の旅行者はバンクーバー、ウィスラー、ビクトリアを中心に訪れている現状だが、陸海空の充実した交通網を利用した3都市周遊を提案。そのほか、今後はロングステイや現地のライフスタイルを体験する滞在型の旅行スタイルを提案する考えだ。