新“華流パワー”を採り入れ、中国需要回復せよ!〜ひろきのトラベル×シネマ No.004
■中国映画史上最大のヒット作『PROMISE 無極』が日本上陸
先週の韓流スター映画NO.003の記事に続き、勢いを増している中国・香港の「華流映画」に迫ってみます。業界関係者にとってみれば、中国方面の「イメージ好転」のためにも、超大作映画やエンタメにあやかりたい気分ではないでしょうか?
さて、1月28日に公開されたチャン・イーモウ監督『単騎、千里を走る。』(協力:全日空)も好調のようですが、100年の歴史を誇る中国映画界史上、公開初日ナンバーワンの成績を記録した『PROMISE 無極』が2月11日に日本公開を迎えます。
中国での公開直前には万里の長城でワールドプレミアを行うなど大型プロモーションも実施。1月25日には監督、主要キャストらが来日し、ジャパンプレミアを開催しました。昨年末の12月15日、中国本土と日本・韓国を除くアジアで公開された本作は、中国本土で公開初日に2115万元を記録。1月中旬には、歴代1位の『HERO 英雄』35億円に次ぐ25億円に達し、現在も記録を更新し続けています。
『黄色い大地』『さらば、わが愛/覇王別姫』『北京バイオリン』などの作品で知られる監督のチェン・カイコー、韓流スターのチャン・ドンゴン、日本からは真田宏之、香港の若手実力派ニコラス・ツェーといった、豪華な顔ぶれが揃った超大作となっています。
物語は、「未来のアジアにおける3000年前」というオリジナル設定で、三つ巴の愛と各人の運命を描く大河ファンタジー大作。奇想天外ともいえるイマジネーションの世界が広がり、時空を飛び交う壮大なスケールに息を呑みます。ちなみに中国国内でのロケーションは、壮大かつ美しい風景を有する内蒙古や雲南省など。中国発の人気エンターテインメントの傾向を知る上でも見逃せない作品となっています。これらの作品から、中国の歴史と現代のトレンドを把握していくと、面白い旅行商品につながるのでは?
▽写真1
『PROMISE 無極』
2月11日より、全国公開
提供:ギャガ・コミュニケーションズ
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:チェン・カイコー
出演:真田宏之、チャン・ドンゴン、セシリア・チェン、ニコラス・ツェー
http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
(C)Beijing 21st Century Shengkai, China Film Group and Moonstone Productions, LLC
■今春はアクション作品『SPIRIT』、『SPL 狼よ静かに死ね』、『THE MYTH神話』
3月には、国際的なスターに登り詰めた俳優の最新作が続々公開されます。
中国本土で1月末に公開されたばかりのジェット・リー主演『SPIRIT(スピリット)』(香港作品、3月18日)は、日本のスター俳優中村獅童との共演が話題となっています。物語は、実在したマーシャル・アーツの伝説的人物フォッ・ユアンジェ(ジェット・リー)が主人公。一度は名声を得るものの、周囲が悲劇に巻きこまれ、姿を消します。しかし、日本のチャンピオン田中(中村獅童)と出会いと交流によって「精神(SPIRIT)」を知り、再び復活を果たしていくというものです。今までのアクション作品には無かった、祖国の名誉、スポーツの美学、真のマーシャル・アーツを追求していきます。
同じく香港からは、香港ノワールの名作『男たちの挽歌』から20年の時を経て、新世代のバイオレンス・オペラとも言える『SPL 狼よ静かに死ね』(香港作品、3月4日)も登場します。悪役にサモ・ハン、対する刑事役にドニー・イェンを配し、男が号泣できるロマンス劇の復活とも言われています。
さて、中国と香港の映画界は協力体制を強化していますが、ジャッキー・チェン主演の『THE MYTH 神話』(中国・香港合作、3月18日公開中国語・英語版)も日本で公開。こちらは中国始皇帝の時代と現代を舞台に、壮大なスケールで描く時空を超えた歴史ロマン大作となっています。
▽写真2
『SPIRIT』
3月18日より、サロンパス ルーブル丸の内系にてロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ロニー・ユー
出演:ジェット・リー、中村獅堂ほか
http://wwws.warnerbros.co.jp/spirit/
(c) Wide River Investments Ltd.
(c)Hero China International Ltd.
▽写真3
『SPL/狼よ静かに死ね』
3月4日より、新宿オスカーほか全国順次公開
配給:メディア・スーツ
監督:ウィルソン・イップ
出演:ドニー・イェン、サモ・ハン、サイモン・ヤムほか
http://www.spl-movie.com/
(c) 2005 ABBA Movies Company Limited
R-15指定映画
リンク:MYTH神話
http://www.uipjapan.com/myth/
■中国は新世代作家も躍進。『ウォ・アイ・ニー』『緑茶』のチャン・ユアン
昨年は中国映画生誕100周年として、日本国内でも中国映画祭や作品招聘が積極的に行われました。今年は中国第6世代の旗手と言われるチャン・ユアン監督の作品が、春に2本続けて公開されます。『ただいま』でベネチア国際映画祭銀獅子賞・監督賞を受賞した同監督は、中国が輩出する次世代の才能として既に注目されている存在です。
一本目は3月公開の『我愛ニー<ウォ・アイ・ニー>』。様変わりする現代中国を背景に、夫婦間のズレを描く、超リアルなドキュメンタリー・ドラマです。恋人同士のような関係でいたい女と自分の生活を大事にしたい男。理想と現実の差を実感し始めた二人は「永遠の愛」を築いていけるのか?を描く作品です。現代の夫婦事情を巧みに表現しています。中国4大女優のシュー・ジンレイが主役。本作では、可憐で美しい彼女が「永遠の愛」をまっすぐ求める姿に多くの女性が共感した。
続く4月には、『緑茶』が公開されます。『我愛?<ウォ・アイ・ニー>』に続く〜愛の連作〜として完成させた作品です。男性との相性を「緑茶占い」によって決める女子大生ウー・ファンと、蠱惑的なピアニスト、ランラン。そして、彼女たちに翻弄されながらも恋に落ちる男…。チャン・ツィイーらと並ぶ中国三大美女ヴィッキー・チャオが、清楚と妖艶の二つの顔をミステリアスに演じます。
北京の流行バーやティーハウス、国際チェーンホテル、胡同、アートスポットなどがロケ地として次々と登場しており、新旧の北京を歩いているような気分が楽しめます。撮影はクリストファー・ドイル。チャン・ユアン監督の上記2作品は、初めて中国で超現代的な風景や街並みを見たときのように、斬新で鮮やか。現代的でスタイリッシュな感覚に満ち溢れています。
▽写真4
『我愛ニー<ウォ・アイ・ニー>』
3月11日より東京都写真美術館ホール他にてロードショー
配給:ムービーアイ+レントラック
http://www.woaini.jp/
▽写真5
『緑茶』
4月15日より東京都写真美術館ホール他にてロードショー
配給:キネティック
主演:ジャン・ウェン、ヴィッキー・チャオ
=====<トラベル×シネマ バックナンバー>=====
西咲ひろき
「トラベルシネマライター」として、旅行業界とエンタメ業界を股にかけて取材・執筆活動中
NO.003 「韓流スター作品は今年も旅行商品に貢献?『美しき野獣』、『B型の彼氏』公開」
NO.002 「未来型ジャンボ旅客機が舞台。機上の密室劇『フライトプラン』に迫る!」
NO.001 「06年前半の国内公開作品の動向を知る!」

さて、1月28日に公開されたチャン・イーモウ監督『単騎、千里を走る。』(協力:全日空)も好調のようですが、100年の歴史を誇る中国映画界史上、公開初日ナンバーワンの成績を記録した『PROMISE 無極』が2月11日に日本公開を迎えます。
中国での公開直前には万里の長城でワールドプレミアを行うなど大型プロモーションも実施。1月25日には監督、主要キャストらが来日し、ジャパンプレミアを開催しました。昨年末の12月15日、中国本土と日本・韓国を除くアジアで公開された本作は、中国本土で公開初日に2115万元を記録。1月中旬には、歴代1位の『HERO 英雄』35億円に次ぐ25億円に達し、現在も記録を更新し続けています。
『黄色い大地』『さらば、わが愛/覇王別姫』『北京バイオリン』などの作品で知られる監督のチェン・カイコー、韓流スターのチャン・ドンゴン、日本からは真田宏之、香港の若手実力派ニコラス・ツェーといった、豪華な顔ぶれが揃った超大作となっています。
物語は、「未来のアジアにおける3000年前」というオリジナル設定で、三つ巴の愛と各人の運命を描く大河ファンタジー大作。奇想天外ともいえるイマジネーションの世界が広がり、時空を飛び交う壮大なスケールに息を呑みます。ちなみに中国国内でのロケーションは、壮大かつ美しい風景を有する内蒙古や雲南省など。中国発の人気エンターテインメントの傾向を知る上でも見逃せない作品となっています。これらの作品から、中国の歴史と現代のトレンドを把握していくと、面白い旅行商品につながるのでは?
▽写真1
『PROMISE 無極』
2月11日より、全国公開
提供:ギャガ・コミュニケーションズ
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:チェン・カイコー
出演:真田宏之、チャン・ドンゴン、セシリア・チェン、ニコラス・ツェー
http://wwws.warnerbros.co.jp/promisemovie/
(C)Beijing 21st Century Shengkai, China Film Group and Moonstone Productions, LLC
■今春はアクション作品『SPIRIT』、『SPL 狼よ静かに死ね』、『THE MYTH神話』

中国本土で1月末に公開されたばかりのジェット・リー主演『SPIRIT(スピリット)』(香港作品、3月18日)は、日本のスター俳優中村獅童との共演が話題となっています。物語は、実在したマーシャル・アーツの伝説的人物フォッ・ユアンジェ(ジェット・リー)が主人公。一度は名声を得るものの、周囲が悲劇に巻きこまれ、姿を消します。しかし、日本のチャンピオン田中(中村獅童)と出会いと交流によって「精神(SPIRIT)」を知り、再び復活を果たしていくというものです。今までのアクション作品には無かった、祖国の名誉、スポーツの美学、真のマーシャル・アーツを追求していきます。

さて、中国と香港の映画界は協力体制を強化していますが、ジャッキー・チェン主演の『THE MYTH 神話』(中国・香港合作、3月18日公開中国語・英語版)も日本で公開。こちらは中国始皇帝の時代と現代を舞台に、壮大なスケールで描く時空を超えた歴史ロマン大作となっています。
▽写真2
『SPIRIT』
3月18日より、サロンパス ルーブル丸の内系にてロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ロニー・ユー
出演:ジェット・リー、中村獅堂ほか
http://wwws.warnerbros.co.jp/spirit/
(c) Wide River Investments Ltd.
(c)Hero China International Ltd.
▽写真3
『SPL/狼よ静かに死ね』
3月4日より、新宿オスカーほか全国順次公開
配給:メディア・スーツ
監督:ウィルソン・イップ
出演:ドニー・イェン、サモ・ハン、サイモン・ヤムほか
http://www.spl-movie.com/
(c) 2005 ABBA Movies Company Limited
R-15指定映画
リンク:MYTH神話
http://www.uipjapan.com/myth/
■中国は新世代作家も躍進。『ウォ・アイ・ニー』『緑茶』のチャン・ユアン

一本目は3月公開の『我愛ニー<ウォ・アイ・ニー>』。様変わりする現代中国を背景に、夫婦間のズレを描く、超リアルなドキュメンタリー・ドラマです。恋人同士のような関係でいたい女と自分の生活を大事にしたい男。理想と現実の差を実感し始めた二人は「永遠の愛」を築いていけるのか?を描く作品です。現代の夫婦事情を巧みに表現しています。中国4大女優のシュー・ジンレイが主役。本作では、可憐で美しい彼女が「永遠の愛」をまっすぐ求める姿に多くの女性が共感した。

北京の流行バーやティーハウス、国際チェーンホテル、胡同、アートスポットなどがロケ地として次々と登場しており、新旧の北京を歩いているような気分が楽しめます。撮影はクリストファー・ドイル。チャン・ユアン監督の上記2作品は、初めて中国で超現代的な風景や街並みを見たときのように、斬新で鮮やか。現代的でスタイリッシュな感覚に満ち溢れています。
▽写真4
『我愛ニー<ウォ・アイ・ニー>』
3月11日より東京都写真美術館ホール他にてロードショー
配給:ムービーアイ+レントラック
http://www.woaini.jp/
▽写真5
『緑茶』
4月15日より東京都写真美術館ホール他にてロードショー
配給:キネティック
主演:ジャン・ウェン、ヴィッキー・チャオ
=====<トラベル×シネマ バックナンバー>=====
西咲ひろき
「トラベルシネマライター」として、旅行業界とエンタメ業界を股にかけて取材・執筆活動中
NO.003 「韓流スター作品は今年も旅行商品に貢献?『美しき野獣』、『B型の彼氏』公開」
NO.002 「未来型ジャンボ旅客機が舞台。機上の密室劇『フライトプラン』に迫る!」
NO.001 「06年前半の国内公開作品の動向を知る!」