求人情報

アメリカ、バイオメトリック・パスポート適用をさらに1年延期を発表

  • 2005年6月16日
 アメリカ国土安全保障省(DHS)は15日、バイオメトリック・パスポート発行期限を2006年10月26日まで延長する。これは昨年に引き続き、適用を延期する措置。全米旅行産業協会(TIA)は先月、ニューヨークで開催された旅行見本市「パウワウ」においても、適用延期について政府への働きかけを行っているとしていた。
 DHSの発表によると、ビザ・ウェーバー・プログラム(VWP)対象27ヶ国について、今年10月26日以降発行のパスポートはデジタル写真とし、同日までにアメリカ政府に対して1年以内にIC、またはeパスポートの発給計画の提出を要求している。DHSはVWP対象国であるオーストラリアとロサンゼルス、およびシドニーの両空港で実証実験を進めており、eパスポート運用の精度を高める計画だ。なお、日本国内で発給されるパスポートについては全て機械読み取り式で、写真はデジタル化済み。DHCの今回の対応により、アメリカへの渡航で2005年10月26日以降に発行されるパスポートについては「IC旅券」でなければビザが要求される懸念が払拭された。また、外務省では2006年3月を目処にIC旅券を発給する予定で、2005年10月26日以前に発行されたパスポートは失効期限までビザ無しで入国が可能となったことから、通常のパスポート切り替えで良くなる。
 これまで、アメリカ連邦議会でロビー活動を展開してきたTIAは、バイオメトリック・パスポート運用の1年間延期を評価。昨年はVWP国から1400万人がアメリカを訪問しており、アメリカ商務省から今後も訪問者増が続くとの見込みもあることから、今回の措置を歓迎。TIAプレジデント兼CEOのロジャー・ダウ氏は「アメリカは引き続き旅行者を歓迎する」と主要デスティネーションに対して改めて歓迎の意を表している。