成田/メルボルン線増便のカンタス、日本支社長がさらなる成長に意欲-ビクトリア州への訪問者数も好調に推移

  • 2026年11月2日

カンタス航空(QF)は12月2日の現地発から2027年5月17日まで、成田/メルボルン線を期間増便する。現行の1日1往復に週4往復を加え、週11往復体制とするもの。日本/ビクトリア州間の渡航需要は訪日需要が引き続き好調であるほか、日本人訪問者数もコロナ前の水準に迫るにまで回復。都内で開かれた増便記念イベントでQF日本・韓国支社長のペリエ・クロヴィス氏は、本誌らの取材に需要獲得をめざす考えを語るとともに更なる増便にも意欲を示した。

(左から)TAのベインズ氏、ビクトリア州政府のライリー氏、ビクトリア州政観の高森氏、QFのクロヴィス

ビクトリア州政府観光局によると、2026年6月までの1年間に同州を訪れた日本人は8万5000人となりコロナ前の約93%まで回復。また、消費額は56%増の約3億6100豪ドルに達した。同州政府で北アジア担当コミッショナーを務めるジョシュ・ライリー氏はイベント冒頭の挨拶で、増便によって更なる成長に期待し、食やカフェ文化、野生動物や自然といった体験で日本の若者からシニア層まで需要の拡大に繋げたい考えを示した。

ビクトリア州政府観光局日本地区局長の高森健司氏も、増便期間が夏から秋にかけての旅行に適したシーズンであり1月の全豪オープンテニスや4月のF1オーストラリアGPなどの大型イベントも予定されていることから、より多くの日本人旅行者がメルボルンを訪れるきっかけになってほしいと期待を語った。

また、乾杯の挨拶に立ったオーストラリア政府観光局(TA)日本・韓国地区局長のデレック・ベインズ氏は、日本人訪問者数の者の増加によって日本とビクトリア州の関係がこれまで以上に強固になり、それが増便に繋がったと歓迎。そのうえで、世界遺産の「バジ・ビムの文化的景観」や「王立展示館とカールトン庭園」、さらに食とワイン、コーヒー文化、近郊のワイナリー、グレートオーシャンロードなど、同州の多彩な魅力をアピールした。

更なる増便へ、課題は「機材」と「発着枠」

QFの増便は、月・火・木・土の9時20分に成田を出発するQF50便、月・水・金・日の23時30分にメルボルンを出るQF49便。クロヴィス氏は「インバウンドは驚異的で、アウトバウンドにも手応えを感じている」としつつ「ここで満足するつもりはない。もっと多くの日本の方にオーストラリアの魅力を体験してほしい」と語り、日本支社長としてダブルデイリー化をめざす考えを示した。

課題は「機材」と「発着枠」で、機材は納入が遅れている30機が届き、まずは欧米への超長距離路線を展開する「プロジェクト・サンライズ」に充てる予定。そのうえで、日本市場の需要が今後十分に成長すれば次の段階として日本路線への機材投入につながる可能性もあるという。一方、発着枠は「日本の利用者にとって使いやすい時間帯の枠が必要」であり、空いている1日1便分の羽田枠を含め獲得に向けた取り組みを続けていく必要があるとした。

また、QFとしての課題については日本市場における認知度の向上であるとコメント。オーストラリアへ渡航するための航空会社として日系2社の方が認知されているとの認識で、フラッグキャリアとして「オーストラリアへ行くならカンタス」のメッセージを強化する。直近では渋谷での「コアラのマーチ」とのコラボ施策が成功事例であるといい、今後もジェットスターと合わせて豪州全土、そしてニュージーランドなど以遠の路線をカバーできる点を打ち出していく。

旅行会社に対しても、「オーストラリアへの体験は日本を出発した瞬間から始まる」価値を消費者に届けるために柔軟に協業していく方針。またNDC経由の販売を推進したいといい、QFが今後5年間で販売システムを全面刷新する計画の一環で日本でも普及に取り組んでいく考えだ。