クイーンズランド州、五輪「ブリスベン2032」を通過点に 2045年見据え観光成長、日本市場も強化
クイーンズランド州政府観光局は、五輪「ブリスベン2032」を、2045年を見据えた20年間のツーリズム計画「デスティネーション2045」の通過点の一つと位置付け、長期的な観光開発を進めるとともに、日本との関係を一層強化していく。このほど開催されたツーリズムEXPOジャパン2026のセミナー「ブリスベン五輪を見据えたクイーンズランドの新たな展望」で明らかにされた。
「ブリスベン2032」は20年計画の通過点、インフラ開発とともに認知度拡大を狙う
クイーンズランド州政府観光局のデイヴィッドソンCEOによると、ブリスベン2032はスポーツイベントとして重要な要素である一方、2045年を見据えた長期計画の通過点の一つであり、「観光の推進力と位置付けている」と話す。
同州では20年間のツーリズム計画として「デスティネーション2045」を策定。新ブランド「THAT HOLIDAY FEELING」のもと、海や熱帯雨林などの自然、ライフスタイル、ホスピタリティ、アトラクション、治安の良さ、先住民文化といった同州の強みを訴求するとともに、スポーツ・文化イベントなどを通じて需要喚起を図り、観光の質の向上や滞在日数の延長、観光消費額の増加を目指す。
そのうえで、「ブリスベン2032は知名度の向上が期待できる機会」とし、五輪を契機とした観光プロモーションも展開する考えだ。また、スポーツのほか、音楽などの文化関連を含む多様なイベントによる需要喚起、新たなアトラクションの創設、スポーツ施設や交通インフラの整備、ホテル建設などを進め、2045年までに観光消費額を現在の2倍となる840億豪ドル(約9兆2400億円)とする考えだ。
日本をコア市場の一つとし、旅行業界との関係を強化
デイヴィッドソンCEOによると、クイーンズランド州における日本市場の2026年1~6月の観光消費額は前年比26.4%増の約6億480万豪ドル(約665億円)、同州を訪れた日本人旅行者数は前年同期比8.8%増の17万9000人となった。日本とクイーンズランド州を結ぶカンタス航空(QF)やジェットスター航空(JQ)などの直行便の航空座席数は約48万5000席となっている。
デイヴィッドソンCEOは、日本をニュージーランド、中国、米国と並ぶコア市場として位置付けており、「今回の来日目的のひとつは、日本の旅行業界との関係強化を図ること」と語る。そのうえで、グレートバリアリーフなどに代表される世界遺産やビーチ、野生動物などの自然観光に加え、MICE、教育旅行、文化体験などを通じて一層の需要喚起を図り、2045年までに日本市場からの観光消費額40億豪ドル(約4400億円)を目指す。
ブリスベンは2027年W杯開催、ゴールドコーストはサーファーズ・パラダイスの再開発も
セミナーにはケアンズ観光局、ブリスベン経済開発局、ゴールドコースト観光局からそれぞれ代表者が来日し、各地の観光動向や今後の取り組みを紹介した。
ケアンズ観光局CEOのマーク・オルセン氏によると、同地を訪れる日本人観光客数は好調に推移しており、2026年は10万人超を見込む。現在の平均滞在は7泊で、約半数が女性客。とくに30歳以下の若者が増加している点を強調した。同地の世界遺産であるグレートバリアリーフと熱帯雨林をつなぐワンゲッティトレイルの整備も進められており、「オーストラリアはオーバーツーリズムとは無縁。一層の送客をお願いしたい」と訴えた。
ブリスベン経済開発局CEOのアンソニー・ライアン氏は、ブリスベン2032に先駆け、同地が2027年ラグビーW杯の日本代表戦の開催地となることを紹介。ブリスベンマラソンや自転車競技など、スポーツをはじめとする多様なイベントを通じて需要喚起を図っていくとしている。
ゴールドコースト観光局国際ディレクターのジェイソン・ルーカス氏はまず、「ゴールドコーストの観光開発の歴史において、日本の旅行業界は非常に重要な役割を果たしている」と語り、長年にわたるパートナーシップに謝意を示した。
現状では、2025年4月から2026年3月に同地を訪れた外国人観光客は前年比7%増の67万8000人。このうち日本人客は前年同期比9%増の2万9000人で、その4分の1をMICEが占める。日本人客の観光消費額は約1億1100万豪ドル(約122億円)となっている。
ルーカス氏は、サーファーズ・パラダイスやドリームワールドで再開発が進んでいるほか、2028年には新たなアトラクション「ミュージックホール」がオープンすることを紹介した。


