訪日単月で初300万人越え、日米観光交流促進へMLB吉田正尚選手がビデオメッセージ-髙橋長官会見
観光庁の髙橋長官は17日会見を開いた。足元では、3月の訪日外国人数は308万1600人。桜シーズンによる需要の高まりに加え、今年はイースター休暇が3月下旬から始まったこともあり、単月で初めて300万人を超え、19年同月比111.6%を記録。国・地域別では、ベトナム、インド、米国、カナダ、メキシコ、ドイツ、イタリア、北欧地域で単月過去最高を更新した。
この結果を受け髙橋長官は「今後もオーバーツーリズムの未然防止、抑制を含めた受け入れ環境を整えるとともに、高付加価値化など全国各地で特別な体験の創出を進め、地方部への誘客を強力に進めていきたい」と語った。
また、同日に発表された「訪日外国人消費動向調査」24年1月~3月期の調査結果(1次速報)によると、同期間の訪日旅行消費額は1兆7505億円。19年同期比は152%と大幅に増加、四半期として過去最高を記録した。
この「訪日外国人消費動向調査」については、4月~6月期調査分から調査目的などを見直し「インバウンド消費動向調査」と名称を変更し、官民問わず個票データの利活用が可能となることが発表されており、今後は「訪日外国人旅行者個人の属性、購買の指向、訪問傾向別の消費動向などをきめ細かく分析、把握することを目的とした調査に改める」(髙橋長官)。これにより、地方等で新たな付加価値を提供するコンテンツの造成に繋げたい考えだ。
月 | 訪日外国人数 | 出国日本人数 | ||||
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2019年 | 2024年 | 対19年 | 2019年 | 2024年 | 対19年 | |
1月 | 2,689,339 | 2,688,478 | 100.0% | 1,452,157 | 838,581 | 57.7% |
2月 | 2,604,322 | 2,788,000 | 107.1% | 1,534,792 | 978,885 | 63.8% |
3月 | 2,760,136 | 3,081,600 | 111.6% | 1,929,915 | 1,219,800 | 63.2% |
4月 | 2,926,685 | 1,666,546 | ||||
5月 | 2,773,091 | 1,437,929 | ||||
6月 | 2,880,041 | 1,520,993 | ||||
7月 | 2,991,189 | 1,659,166 | ||||
8月 | 2,520,134 | 2,109,568 | ||||
9月 | 2,272,883 | 1,751,477 | ||||
10月 | 2,496,568 | 1,663,474 | ||||
11月 | 2,441,274 | 1,642,333 | ||||
12月 | 2,526,387 | 1,712,319 | ||||
1~3月 | 8,053,797 | 8,558,100 | 106.3% | 4,916,864 | 3,037,300 | 61.8% |
1~12月 | 31,882,049 | 20,080,669 |
好調な訪日の一方、3月の出国日本人数は19年同月比63.2%の1,219,800人。観光庁では引き続き「日米観光交流年2024」などの各種取り組みを通したアウトバウンド促進を図る。同日には、福井県出身でMLBボストン・レッドソックスの吉田正尚選手から、日本人の訪米拡大と能登半島地震からの復興を目指す北陸地域への米国からの来訪を呼びかけるビデオメッセージが公開された。
また、同日に開催された「第23回観光立国推進閣僚会議」では、観光における現状の確認とともに関係省庁から今後の取り組みについて報告が行われ、これを受け岸田首相は「インバウンドの地方誘客」「持続可能な観光地域づくり」を加速させることが喫緊の課題としたほか、未だコロナ前の水準に達していない国内旅行、海外旅行の拡大にも取り組む方針を示した。