カナダ、進む季節平準化、ショルダーシーズンの需要も増加-RVC2019(1)

  • 2019年6月18日

日本人旅行者減も市場トレンドに変化
旅行会社とメディアとのコラボ強化

春と冬の訴求をさらに強化、メディアとのタイアップも積極的展開

国際担当副社長のモーリン・ライリー氏

 今後も引き続き春と冬の訴求を継続し、日本市場の底上げに取り組んでいく方針。また、日本人の旅行形態として、ゲートウェイとなる都市を中心とした旅程となっていることから、各都市から旅行の範囲を広げていく取り組みも進めていく。ライリー氏は「そうすることで現地消費額も増える」との考えだ。その方法としては、まずは旅行会社での認知を高めていくと同時に、カナダ側の観光局やサプライヤーの取り組みも必要との認識を示した。

 「日本人旅行者は、自然にしろ、料理にしろ、その背後にあるストーリーを知ることを好む」とライリー氏。その傾向から、今後もプロモーションにあたっては、先住民文化など日本にはないカナダの文化やライフスタイルのストーリーテリングを大事にしていく方針を示したうえで、そのためには「旅行会社とメディアの力が必要になってくる」と強調した。

半藤氏は日本市場の動向を説明(右から4人目)

 日本地区代表の半藤将代氏は、「旅行会社による新しい商品の造成や一般消費者への訴求では、統合的なアプローチが大切になる」との考えを示す。そのうえで、日本市場ではメインターゲットを25歳から34歳の女性と定め、ショルダーシーズンの需要喚起と旅行会社による商品造成を促すために、メディアとのコラボレーションに力を入れてく戦略を説明した。

 具体的にはヴォーグとのタイアップで、「自分が変わる旅」をコンセプトに冬のアルバータ州とノースウエスト準州でのさまざまな体験を紹介。また、フィガロではインフルエンサーを活用し、冬のケベックの訴求を強める。さらに、フラウでは人気モデルの高山都さんがオンタリオ州やプリンスエドワードアイランド州など東部カナダを旅する企画を実施する。

 半藤氏は「今冬は、テレビを含めさまざまなメディアで、オーロラをはじめアイスバブル、氷結ナイアガラなど冬のカナダの露出が多くなった」と説明。これまで継続してきた取り組みが実を結んできたことに自信を示した。

 なお、2020年のRVCは、ケベック州ケベックシティーで5月5日から8日かけて開催される。