まずは組織に関連する部分からお話しましょう。会社として個人情報を保護するためには、何よりもまず、会社の方針を明確にする必要があります。何のために、誰のために、どのように行うのかを社内外に公表しなくてはなりません。一般に「個人情報保護方針」とか「プライバシーポリシー」と呼ばれるものです。この文書が、会社における個人情報保護活動の全ての規範となると同時に、会社の経営陣が個人情報保護活動を推進しているという意思表示にもなります。このことは非常に重要です。個人情報保護活動は、経営陣自らが、会社にとって重要な活動であると位置付けていないと、なかなか成功しません。会社内の一部署だけで、例えば、外部からの要請により活動を行おうとしても、その部署以外の人は自らの問題とは認識せずに、活動にも非協力的であったり、決められたことを守らなかったり、自分の所で保有している個人情報を報告しなかったりと、活動を阻害する要因となってしまいます。これを避けるためには、発端は一部署の問題であっても、会社の問題として全ての社員に示すことが一番です。そして、出来れば、社長自らの言葉で説明する機会を作る方が良いでしょう。その上で、組織、規程、業務手順、個人情報保護対策といったものを、きちんと経営陣が承認した上で、発行していくことが大切です。 |