そうだとすると、対策としては何を行えば良いでしょうか?
ひとつの解としては、重要な情報を扱っている部署では、その情報を勝手に持ち出せない仕組みを作ること、または、会社内でしかその情報を取り扱えないようにすることが考えられます。
ご存知の方もいっらしゃると思いますが、YahooBBでは個人情報の流出事件発生後(Winnyによる情報流出ではありませんが)会員情報を扱う部署は他と隔離して、その部屋には私物は勿論、PCや可搬媒体(CD、FD、USBメモリー等)の持込を一切禁止しました。その上、業務で使用するPCでは可搬媒体への書き出しが出来ない設定を施しました。情報の閲覧権限を細かく設定し、個人別にアクセスの記録も取っています。ここまで厳重にすれば、社員が事件・事故の当事者となることは少なくなると思いますし、前述の社員の情報に対する意識を維持することも出来ます。
しかし、このような対策を実施するには、経済的に大きな負担がかかります。大企業ならともかく、簡単に出来るものではありませんね。では、他に方法はないのでしょうか。一番無難なのは業務手順を決めてしまうことです。受け取った申込書をどのように処理してどこに保管するのか、入手した航空券は誰が管理するのか、手順通りに行われていることを誰がチェックするのかと言ったことを決めて、徹底することです。非常に面倒です、でもこの面倒な手順が、情報の重要性を認識することを維持することにつながります。さらにこの方法を維持するため、チェックする仕組みも併せて決定します。昔ながらの方法では有りますが、上司の確認印が無いと次のステップに進めないようにするのです。
このことにより重要な情報を管理する仕組みは業務の一部となり、新しい人が入ってきても同じ方法が継承されます。安全管理レベルが設定されたことになります。
時代を逆行するように見えるかもしれませんが、安全性を優先するとこのような仕組みが必要になります。社員の情報に対する認識を向上させるためには、扱っている情報は重要で、簡単に扱うものではないと言ったことを日常の業務の中に表現しないと、社員の皆さんの意識は変わらないと思いますし、その意識を継続させることも難しいと思います。 |