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インタビュー:ヴァージン・アトランティック航空日本支社長

羽田就航で「選択肢」提供
競争こそ消費者のメリットに

-日本市場の現況についてお聞かせください

VS・B787型機イメージ(Boeing Photo)

マイヤースコウ 日本路線は東日本大震災から目覚しい回復を遂げた。2012年1月から6月までに、英国から日本への旅客数は77%増、日本発は約20%から25%増となった。8月と9月は日本に就航してからの23年間で最高の業績を残せており、今後の成長(回復)も確信している。

 オリンピックの効果も大きい。オリンピックの後、英国への旅客数の増加がはっきりと見て取れる。旅客数の伸びはオリンピックの開始とともに始まったことから考えても、オリンピックが英国にとって素晴らしいショーケースになってと言って良いだろう。

 今後についても、順調な推移を予測している。2010年比で見てもレジャー、ビジネスともに期待できる。特にレジャーが好調だ。


-日欧路線でもアライアンス内のジョイントベンチャーが始まっていますが、競争環境をどのようにご覧になっていますか

マイヤースコウ 現状は、むしろVSの存在価値が最大になる環境だと考えている。VSはアライアンスに加盟せず、消費者に選択肢を提供している。ジョイントベンチャーは消費者に選択肢を提供することをメリットとして喧伝するが、同時に競争の減少にもつながる。競争の減少は消費者のメリットにはならない。

 VSはNHと提携関係にあり、今後もこの関係を維持拡大していくが、NHがルフトハンザグループとおこなっているジョイントベンチャーとは別個のものだ。むしろJVを補完する役割を果たせる。

 例えばブリティッシュ・エアウェイズ(BA)がbmiブリティッシュ・ミッドランド航空(BD)を買収したが、BDはロンドンから欧州内や英国国内の路線を提供する、唯一のスターアライアンス加盟航空会社だった。こうした中で、VSはマンチェスター、エディンバラ、アバディーンに就航する。NHはVSとの提携を通して、これらの都市へのサービスを提供できる。

 確かにジョイントベンチャーは効果的な取り組みではあるが、我々のような航空会社が競争環境を維持していくことが重要だ。我々が競争を提供することによって、メリットを生み出すことができる。長距離路線に専念してきたVSが、国内線に就航するのもBAに競争をさせ続けるためだ。BAが英国の国内線市場を完全に独占するような事態は許されてはならない。

-ありがとうございました