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サービス連合が観光立国に向け提言-「現場からの声」強調

  • 2015年7月21日

▽「観光需要の拡大」を重要項目に、環境整備や人財育成も

 千葉氏は今回の提言のうち、重要項目として「観光需要の拡大」を強調。アウトバウンド、国内旅行、インバウンド、休日・休暇改革について提言した。アウトバウンドについては、長距離路線の航空運賃の値下げなどによる「日本人の海外旅行者数拡大に向けた政策の実施」や「観光ビザ緩和・免除の対象国の拡大」「渡航先の安全情報の周知」「若年層のパスポート取得手数料減免」「旅券発給手続きの簡素化」などを要求。また、日本旅行業協会(JATA)が展開する「ビジットワールドキャンペーン」の浸透や、「閑散期需要の拡大」「免税品の購買促進」なども提案した。

 国内旅行に関しては、広域観光ルートの形成や父子旅行の認知度向上などの「ニューツーリズムの創出と育成」や、旅行補助金制度や減税措置などの「観光需要拡大に向けた税制」を提案。さらに、交流人口の拡大に向けた地域づくりや地方創生の取り組み、ユース料金などの設定による若年層の観光の活性化、「トレイルランニング」などの体験型旅行による閑散期需要の創出に向けた取り組みも要望した。

 インバウンドについては、日本政府観光局(JNTO)や在外公館との緊密な連携による「海外におけるプロモーション強化」や、日本の魅力や現状を紹介してもらうための「海外エージェント・メディアの積極的な招聘」を提案。また、「受入体制の強化」や「観光案内所の充実」「国際交流への理解を深める取り組みの強化」「関係機関との連携強化」「旅行者の地域分散化の推進」「WiFiの活用」も求めた。

 休日・休暇改革に対しては、省庁間との連携強化や従業員と経営者の意識改革などによる「休暇の取得促進」などを要望。千葉氏は「サービスを提供する側が休みを取れていない。自らが休みを取得し、観光需要の拡大につなげていきたい」と意欲を示した。

 このほか環境整備では、「観光地・観光地域づくり」と「交通関連」「宿泊施設関連」「ユニバーサルデザインへの対応」「MICE」に関する取り組みを提言。例えば、交通関連では閑散期に対する1次交通の柔軟な料金設定などを提案した。健全な産業発展については、「産業基盤整備」と、法や制度の整備などを求めた「観光産業と社会」、公共交通機関の利用促進などによる「環境保護・防災・危機管理」について要望した。

 さらに、人財育成では、達成基準の設定などの「産業内の人材育成」や、観光地づくりを担える組織の育成などの「地域における人財育成」、初等・中等教育を通じた観光立国の認知度向上などの「学校教育・研究振興」を提言した。