エティハド、日本就航5周年でパーティー、独自の提携戦略アピール
今年の3月に日本就航5周年を迎えるエティハド航空(EY)は2月24日、都内ホテルに旅行会社などを招き記念パーティーを開催した。日本支社長の稲場則夫氏は「昨年のEYの設立10周年に続き、今年の日本就航5周年を迎えられたことは皆様のおかげ」と謝意を表明。あわせて、昨年10月に提携5社と設立した新たな航空会社グループ「エティハド航空パートナーズ」をアピールし、今後の協力を求めた。
この日はEY営業本部長の根来勇人氏が、「エティハド航空パートナーズ」などに見られるEYの提携戦略について説明した。同グループはEYが投資しているエアベルリン(AB)、エア・セルビア(JU)、エア・セイシェル(HM)、エティハド・リージョナル(F7)、ジェットエアウェイズ(9W)と設立したもので、ネットワークやスケジュール、マイレージプログラムなどでの連携を強化することがねらい。根来氏は、そのほかに出資しているアリタリア-イタリア航空(AZ)などを含めると、「世界で5番目に大きな航空グループに」成長したとアピールした。
設立の初年は17都市だったEYの就航地は、昨年までに100都市以上に増加。各社とのコードシェア運航を含めると、現在の就航地は450都市以上に及ぶ。今年は上半期にアブダビ/マドリッド、エディンバラ、コルカタ、エンテベ、香港、アルジェ線を開設し、年内には110近くにまで達する見込みだ。
機材については、2013年にオプションを含めて計199機の発注をおこなっており、投資額は670億米ドルに上る。なお、稲場氏によれば、導入を進めているエアバスA380型機の日本路線への投入は、今のところ予定していないとのこと。また、注目が集まっていた羽田線の開設についても「当面は予定していない」とした。
この日はそのほか、今回のパーティーにあわせて来日したシニア・ヴァイスプレジデントのジェームス・ミュラー氏が挨拶し、5年間の日本の旅行会社の協力に謝意を表明。アラブ首長国連邦臨時代理大使のムタズ・アルファヒーム氏は、日本とアラブ首長国連邦の友好関係をアピールするとともに、観光客の誘致に注力したい考えを示した。
▽イスラム国などの影響でロードファクター減少-キャンペーンでテコ入れ
根来氏は、このほど起こったフランス紙襲撃テロ事件や、イスラム国による日本人人質殺害事件の影響について言及。これまで年平均で約80%を維持してきたロードファクターは2月以降低下し、3月については「100%近くを見込んでいたが70%程度に」低下する見込みだという。特にヨルダンなど中近東諸国への乗継需要の落ち込みが顕著とのことで、「4月以降についても心配している」と述べた。同社では今後、キャンペーンなどの実施によりテコ入れをはかる考え。
※訂正案内(2015年3月4日10時45分 編集部)
稲場則夫氏のお名前を誤って表記しておりました。
お詫びするとともに訂正致します。