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豊かな食文化やおもてなしの伝統文化、観光でも選ばれる新潟にー中原八一新潟市長

  • 2022年2月18日

未来に向けてまちづくりの大きな転換期
団体・修学旅行も積極的に誘致

-新潟市の観光の魅力を教えてください。

中原 新潟市は都市部と周辺の田園部とが調和しているのが特徴ですが、そこで生まれる農産物が観光の大きな魅力だと思います。新潟が世界に誇るブランド米「コシヒカリ」をはじめ、それ以外にも「こしいぶき」などたくさん美味しいお米があります。併せて日本酒も有名で、県内には約90の酒蔵があります。そのうち新潟市内には15の酒蔵があり、蔵ごとにこだわって、特徴のある酒造りに取り組んでいます。

 現在はコロナの影響で中止されていますが、「にいがた酒の陣」というイベントを開催しており、毎年10万人を超える観光客が全国から訪れます。コロナ収束後には再開して、また全国の日本酒ファンに楽しんでいただければと思っています。

 また、新潟と言えば魚です。特に高級魚の「ノドグロ」は、他の地域と比べて大ぶりです。他に「柳カレイ」も全国的なブランドになっています。市内どこでも美味しい寿司が食べられるのは新潟市ならでは。市内の寿司組合の加盟店が特別な10カンを厳選して提供する「すし極み」という取り組みは人気を集めています。

 ご当地グルメも豊富です。東京でカツ丼と言えば卵とじですが、新潟では甘塩ダレの「タレかつ丼」です。また、実は新潟はラーメン王国。「長岡生姜醤油」「燕背脂」「新潟濃厚味噌」「新潟あっさり醤油」「三条カレー」は新潟5大ラーメンと呼ばれています。

 最近では、お米に加えて、野菜や果物にも力を入れています。春には、甘みが強く果肉が柔らかいイチゴの「越後姫」。夏には枝豆の「茶豆」。昨年は新幹線で発送して、東京駅の飲食店に卸しました。これからPRしていきたいのが洋梨の「ルレクチェ」。個人的な感想ですが、どこの洋梨よりも美味しいのではないかと思います。

 伝統文化では、200年の歴史がある「古町芸妓」があります。今後も芸妓文化を残していくために、会社組織で運営されています。芸妓文化に併せて料亭文化も残っており、一流の宴席でおもてなしをする文化が今でも脈々と根付いています。

 このほか、新潟市で国際会議を誘致すると、必ずご紹介するのが豪農の館「北方文化博物館」。ここは、新潟の旧家伊藤家の遺構で、手入れされた庭園や家屋、調度品などの歴代当主のコレクションが展示されており、国際的にも評価されているところです。

-コロナ禍の観光産業への影響はいかがでしょうか。

中原 新潟市では2020年2月に初めて感染者が確認されました。それ以来、長引く感染状況で、地域経済は大きな打撃を受けています。本市は、他の都市と比べると観光は主要産業ではありませんが、裾野の広い産業だけに、宿泊業だけでなく、土産物店、観光施設、飲食店、交通事業者など関連産業に現在でも大きな影響を与えています。

 第6波では、感染力の強いオミクロン株によって、本市も1月21日から2月13日までまん延防止等重点措置に指定されました。飲食店の時短要請は今年で6回目になります。先日も、デルタ株よりもオミクロン株の方が影響が大きいと、市内の交通事業者が支援の要望に来たばかりです。(編集部注:インタビューは2月3日に実施)

-新潟市への観光入込客数の推移を教えてください。

中原 2019年の延べ宿泊者数が235万人泊でしたが、2020年は161万7000人泊、2021年10月までの速報値で131万6000人まで落ち込んでいます。当面の目標は、2024年までに感染前の水準に回復させることです。

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