全国旅行業協会(ANTA)会長 二階俊博氏
~国内観光の活性化と旅行業回復の年に向けて~
明けましておめでとうございます。本年が実り多き年になりますよう心よりお祈り申し上げます。
全国旅行業協会は、全国5,500社を超える会員並びに関係各位のご理解とご支援を得て、旅行業の発展につながる活動を続けております。当協会の活動に対する皆様のご協力に心より感謝を申し上げます。
さて、昨年は、新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言の発出、移動の自粛要請などにより、我が国の国民生活、経済活動は深刻な影響を受け、私ども旅行業界は、これまで経験したことのない、厳しい経営環境に置かれました。
このため、当協会は、緊急融資の迅速な実施、持続化給付金の交付、雇用調整助成金等の特例措置など、会員の足元の支援となるような施策の実施を国に要望して参りました。同時に、国内旅行需要喚起策を要望して、「Go Toトラベル事業」が実現し、前例のない予算規模で旅行需要を促進する「Go Toトラベル事業」が7月下旬から開始されました。本事業により、国内旅行の需要が少しずつ回復して全国各地に旅行の経済効果が波及し、地域の賑わいも取り戻しつつあります。その後、12月には政府与党の調整により、「Go Toトラベル事業」を本年6月末まで延長する総合経済対策が決定されたところであります。
本年も、当協会は、旅行・観光産業のコロナ禍からの回復を目指して、一致団結して国内旅行の需要喚起と国内観光の振興に取り組んで参ります。日本人海外旅行やインバウンドについても、7月の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、海外との往来再開のため、段階的緩和の実施を要望して参ります。
また、本年2月9日には山梨県甲府市において「第16回国内観光活性化フォーラム inやまなし」を、国土交通省、経済産業省、山梨県をはじめとする地元自治体のご後援を得て、新型コロナウイルス対策を徹底した上で開催いたします。本大会を成功させ、山梨県の観光の魅力を皆様に広くPRして、山梨県への送客促進を図るとともに、旅行・観光産業のコロナ禍からの復活の狼煙になる大会となるよう、地元実行委員会とともに盛り上げて参ります。
本年も、旅行業協会として会員への情報提供と指導に努め、旅行取引の適正化、旅行の安全確保と旅行者の利便の増進に万全を期して参ります。
地域に密着した旅行業者の強みを生かしつつ、新型コロナウイルス対策を講じた「新しい旅のスタイル」など、従来と違った視点で、お客様により一層の安心かつ安全な楽しい旅を提供して、国内旅行の回復につなげて参ります。
観光が明るくなれば、世の中は必ず明るくなります。これまで培ってきた長年の経験と英知を結集して力を発揮し、旅行・観光を通じて全国各地の元気を取り戻し、世の中に明るい光を灯せるよう全力を挙げて参りましょう。
年の始めに当たり、所感の一端を申し述べました。令和3年の皆様のご繁栄とご多幸を祈念し、年頭のご挨拶といたします。