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カナダ観光局、業界中心に市場拡大を−2010年は30万人めざす

  • 2010年1月22日
 カナダ観光局(CTC)は1月20日に開催したプロモーション発表会で、2010年の日本人訪問者数目標値を30万人と掲げた。バンクーバー冬季オリンピック開催を控え、市場の注目が集まる年に「再び、カナダ」を合言葉に市場再生をかけて取り組む。日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏は、「20年前とは消費者ニーズも大きく変わった。カナダの充実した素材やFIT向けインフラ、安全性といったアドバンテージを活かし、商品を新たに作りなおす気概でカナダを再び主要市場とすべく旅行業界も取り組んでほしい」と力強く語った。

 カナダへの日本人訪問者数は1996年のピーク時に約65万人を数えたものの2009年は約20万人の見込みだ。このほどプロモーション発表会で掲げた30万人という目標数値について、CTC日本地区代表のアンソニー・リッピンゲール氏は、「実現可能な数字だ」と話し、その理由としてバンクーバー冬季オリンピック開催によるメディア露出の増加と市場の認知度の浸透などのほか、業界内では2009年秋にビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)の重点デスティネーション認定を受けたことによる商品化促進の強化、エアカナダ(AC)の3月からの成田/カルガリー線就航による座席数の増加、円高や日本市場の内需が拡大傾向にあることなどを挙げている。

 今後の施策としては旅行業界へのセールス・アプローチを第一に掲げ、セミナーや研修を開催するほか、販売担当者や企画担当者向けにカナダ・スペシャリスト・プログラム(CSP)を無料で実施。またバンクーバーやカナディアンロッキー、トロントとナイアガラの滝や秋のメープル街道など定番商品の内容充実をはかりつつ、一般消費者に対しウェブサイトなどを通じてテーマ別やFITを喚起していく。


▽カナダ側へも日本市場をアピール

 またVWC重点デスティネーションとしての活動の一環としてCTCおよびVWCは「チーム・カナダ」を発足。旅行業界内では旅行会社、航空会社など日本の業界関係者からなるカナダ・アドバイサリー・グループを立ち上げ、カナダ販売に向けての販促や需要喚起の対策を検討していくほか、CTCおよび在日州政府観光局関係者は販促ツールの作成やモデルプラン作成など業界への支援をはかる。さらにカナダ側でもCTC副社長のチャールズ・マッキー氏やムスコカ・ランゲージ・インターナショナル(MLI)社長のマイク・ルビー氏など現地観光局や関係機関による「カナダ運営委員会」を組織し、カナダ旅行業界に対し日本市場の重要性を訴えていく。カナダ運営委員会のメンバーとして今回来日したルビー氏はカナダ市場低迷を「マスツーリズムの流れのまま販売を行い、カナダ素材の多様性のPRや消費者との対話が不足していた」と分析したうえで「日加両業界が長年築いてきた信頼関係のもと、互いに協力して2010年の目標を達成したい」と話した。