［総評］　今週は、JLと国内線コミッション関連の記事に高いアクセスが集まった1週間となりました。まず国内線コミッションですが、6位の記事のとおり、全日空（NH）に続いて日本航空（JL）が削減する意向を固めています。日本旅行業協会（JATA）が全日空（NH）にコミッション維持を要望した矢先のことですが、JLは再建計画の策定を進めている最中ですから、この方針に驚かれた方は少ないのではないでしょうか。JATAはできる限り早くJLにも要望書を提出するとのことですが、国内線の地点撤退も強行するJLに対して、どこまで効果があるかは不透明です。

　JLに関しては、国際線2路線での減便のニュースもランクインしました。11月に発表した大型の路線再編に続くもので、今後さらに路線便数計画の見直しを進めるといいます。以前、国土交通省航空局長の前田隆平氏がJLの再建に関して「縮小均衡だけでなく拡大も」と要望されていましたが、回復の道筋と回復後の拡大策をJLがどのように描いているのかも気になるところです。

　これについては、JLがアメリカン航空（AA）とデルタ航空（DL）のどちらをパートナーとして選択するかも大きく関わります。その意味で、1位となった記事でAAアジア太平洋地区社長のパナジオトゥリアス氏の指摘は興味深いものです。各地域の航空会社が互いの路線網を補完しあうのがアライアンスですから、同じ地域に2つの航空会社を抱えることは一見矛盾を抱えるように思えます。今のところDL側からこの指摘に対する反応は見えてきませんが、JLとの交渉の場では当然何かしらの説明がなされているはずです。今年も残すところあと3週間ながら、日本の空を大きく変える動きがまだまだ続きそうです。（松本）



▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
（12月第2週：12月7日2時〜12月11日18時）
第1位
◆JALスカイチーム移籍、大韓航空とのすみわけ不可能−AAアジア太平洋社長（2009/12/7）

第2位
◆日本航空、国際2路線を減便、機材小型化は3路線−4億円強の収支改善へ（2009/12/10）

第3位
◆JTB首都圏、6支店を年内で閉鎖−スタッフ配置などは調整中（2009/12/9）

第4位
◆国内線コミッション維持を「強く要望」、JATA金井会長が意見表明（2009/12/8）

第5位
◆タイ国際航空、羽田発関空経由運賃を設定−関東の深夜需要に期待（009/12/9）

第6位
◆日本航空、国内線コミッション見直しへ−包括旅行用は廃止、NHに追随（2009/12/11）

第7位
◆ハワイ、今年は110万人到達の見込み、一倉氏「底見えた」、2010年は増加へ（2009/12/10）

第8位
◆キャセイパシフィック航空、香港／ミラノ線を開設へ−北米線も拡充（2009/12/7）

第9位
◆11月の旅行業倒産件数は4件、小型中心で負債額は大幅減（2009/12/10）

第10位
◆全日空、成田／仁川線を増便−期間限定でダブルデイリーへ（2009/12/8）