JR東海、新型新幹線「S0系」に自動運転導入 29年7月運行開始、27年から「のぞみ」料金値上げ
JR東海は10月16日、東海道・山陽新幹線に次期新型車両「S0系」を投入すると発表した。運転士が乗務する自動運転システム(GOA2)を搭載し、列車の運行状況に応じた速度調整や遅延回復の自動化を図る。2029年7月の営業運転開始を予定し、2032年度上期までに計25編成を導入する計画。同日にはJR西日本と共同で「のぞみ」「みずほ」の指定席特急料金とグリーン料金の引き上げも発表した。東京~新大阪間の普通車指定席は2027年7月から700円値上げし、1万5420円となる。
S0系は、2020年に営業運転を開始したN700S以来のフルモデルチェンジとなる新型車両。名称は、Shinkansen(新幹線)とSupreme(最高の)を表す「S」と、東海道・山陽新幹線の新たな進化の基点を意味する「0」を組み合わせた。2028年8月に確認試験車1編成を投入し、2029年度に8編成、2030年度と2031年度に各7編成、2032年度上期に3編成を順次投入する。
最大の特徴は、東海道新幹線の営業列車に導入する自動運転システムだ。運転士が運転室に乗務するGOA2方式を採用し、40GHz帯のミリ波列車無線で受信するダイヤ情報などをもとに、省エネルギー運転となるよう計画速度を設定する。運転士がボタンを押して出発した後は、設定された速度に従って自動で走行し、定時到着や駅での定位置停止を実現する。
走行中に急な徐行が必要になった場合も、最新の運行情報を受信して計画速度を自動更新し、回復運転によって遅延を最小限に抑える。これにより、運行の安定性と省エネルギー性能の両立を目指す。なお、無人運転ではなく、運転士が乗務する方式となる。自動運転機能は既存のN700Sにも改造工事によって導入する計画で、2029年10月以降、順次対応する。
安全面では、ミリ波列車無線を活用した早期地震検知システムを導入する。地震検知からブレーキ開始までの時間を現行の約2秒から約0.2秒へと10分の1程度に短縮するほか、ブレーキ制御の改良によって、地震時の停止までの距離もN700Sと比較して約5%短縮する。
車内設備も刷新する。グリーン車には多機能アームレスト座席とパーティション座席の2タイプを設け、9号車のデッキには身だしなみを整えるパウダーコーナーを新設する。足元スペースの拡大や車両の揺れを抑える制振制御の改良に加え、5G対応透明ガラスアンテナの搭載などによってWi-Fiの通信環境も改善する。
観光客の大型荷物への対応も強化する。スーツケースなどを持ち込む利用者の増加を踏まえ、3・7・15号車のデッキにある荷物置場を6カ所から9カ所に増設。客室内の荷棚スペースも先頭車で約25%、中間車で約5%拡大する。女性専用トイレはスペースを約25%拡大してベビーベッドを新設するなど、子ども連れを含む旅行者の利便性向上も図る。
環境性能では、鳥の風切羽の形態を参考にした新たな先頭形状「ツイン リーメクス形」を採用。空気抵抗の低減や自動運転による効率的な走行などによって、編成全体の消費電力量をN700Sと比較して約6%削減する。また、車両構体における再生アルミ部材の使用割合を約20%まで引き上げる。
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