企業イベント、リアル回帰から「成果投資」へ JTB調査、95%が追加コスト、企画・集客需要高まる
JTBは9月29日、「ビジネスイベント調査(2026年度版)」を発表した。企業のミーティング・イベント・研修担当者800人を対象に実施したもので、イベントの開催頻度は全体として増加傾向にあり、特にリアル(オフライン)開催を強化する動きがみられた。一方で、企業がイベントに求めるものは開催そのものから「成果」へと移りつつあり、イベント設計やコンテンツ企画、集客などへの投資意向も強まっている。
調査は2026年7月、従業員500人以上または売上高100億円以上の企業でビジネスイベントに関与した正社員を対象にインターネットで実施。顧客・パートナー向けイベント、従業員向けイベントについてそれぞれ400人、計800人から回答を得た。
開催頻度を見ると、社外向け、社内向けとも増加傾向が確認された。特にリアルイベントへの評価が高く、イベントの目的別では、「通常では得られないコミュニケーションが図られる」「普段会えない人に会うことができる」などで現地参加の有効性を挙げる割合が高かった。
ただし、すべての目的でリアル開催が優位というわけではない。「自身の知識や教養、能力が高まる」ではハイブリッド参加を効果的とする回答が41.7%となり、現地参加の27.8%を上回った。「モチベーションを高めることができる」でも、ハイブリッド37.1%に対して現地参加は33.0%だった。コロナ禍を経てイベントを一律にリアルへ戻すのではなく、目的に応じてリアル、ハイブリッドなどを使い分ける段階に入ったとも読み取れる。
95%が「追加コストかけても課題解決」
注目されるのが、イベントの成果を高めるための投資意向だ。
リアルイベントでは、企画、集客、運営準備、参加者対応、効果検証など幅広い業務が担当者の負担となっている。こうした課題について、95.0%が「コストをかけて解決したい課題がある」と回答した。
追加費用をかけてでも解決したい項目の上位は「参加者満足度を高めるイベント設計」「参加者満足度を高めるコンテンツ企画」「ターゲット参加者の集客」。続いて「特設Webサイトの制作」「サステナビリティ方針の策定・文書化」が挙がった。
外部の専門知見を活用する企業も少なくない。外部企業のコンサルティングを「すべてのイベントで受けている」が9.3%、「一部のイベントで受けている」が40.3%で、実際の利用率は49.6%となった。「以前受けていたがやめてしまった」の17.3%、「現在は利用していないが今後検討する可能性がある」の14.1%まで合わせると81.0%となる。
サステナビリティも「コスト」から「投資」へ
サステナビリティ対応については、31.4%が「検討したことがあり、実践している」、43.3%が「検討したことはあるが、実践までできていない」と回答。計74.7%が対応を実施または検討していた。
さらに、サステナビリティ対応によって費用が増える場合について回答した597人のうち、94.8%が一定のコスト増を許容した。
許容できる増加幅は「元の予算より29%まで」が48.2%、「30~59%」が35.5%、「60%以上」が11.1%だった。後二者を合計すると、46.6%が30%以上の費用増を許容している計算となる。サステナビリティ対応が理念や努力目標だけでなく、企業イベントにおける具体的な予算項目になりつつあることをうかがわせる。



