世界110カ国に5500以上のホテルを展開する世界最大級のホスピタリティグループ、仏アコーが2024年4月1日に「グランドメルキュール」「メルキュール」ブランドのホテルを日本国内に23軒一斉開業する。開業するホテルは全て大和リゾートから運営を受託しリブランドするもので、11月6日から予約受付を開始した。

　日本初上陸となる「グランドメルキュール」は現在世界12カ国に約60軒を展開しており、「Proudly local～その地に、誇りを～」をコンセプトに、その土地毎の食や文化に深く触れられるアップスケールブランドホテル。今回開業する同ブランドホテルでは、ゲストルーム、レストラン、ラウンジ、温泉・大浴場、プールなどを対象に改装が行われるほか、一部ホテルには湯上がりラウンジの新設も行われる。

　世界60カ国以上に900軒以上を展開する「メルキュール」は、国内にも現在8軒を展開するミッドスケールブランドホテル。こちらもレストラン、ラウンジ、温泉・大浴場などを対象に、大部分の改装が24年2月から3月に掛けて行われる。

アコーアジアCEO ガース・シモンズ氏

　アコーアジアCEOのガース・シモンズ氏は日本を「魅力的な旅先で、深い歴史、独特の文化、ユニークな伝統を持ち、本物の地元の体験を提供できる」と評価しており、今後「（今回開業する）両ブランドを強化し、競合他社に差別化できるホテルをつくる」と意気込みを語った。また、今回の開業を機にアコーは「国内第3位のインターナショナルホテルチェーンになる」（シモンズ氏）

「#はなれ旅」提案へ
分散型旅行でオーバーツーリズム解消を

　今回のリブランドによる一斉開業に伴い、アコーと大和リゾートはアンダーツーリズムの推進を目的とした「#はなれ旅」の提案を行う。具体的には、今回開業するホテルが立地する地域自治体と包括連携協定の提携を行い、各地域のアクティビティ、文化、食体験などのコンテンツの共創、発信を行う。第一弾として、千葉県南房総市、山梨県北杜市、鳥取県伯耆町との提携を進めており、今後ホテルが立地する23自治体全てと提携を目指す。

大和リゾート代表取締役社長 真柳宏二氏

　大和リゾート代表取締役社長の真柳宏二氏は「#はなれ旅」を「目標として掲げる新しい旅行スタイル」と述べており、まだあまり知られていない絶景や食、伝統文化など、都市部ではなく地方などの「はなれ」にフォーカスをあて旅行を提案するとともに、分散型旅行を促進することでオーバーツーリズム解消に寄与するなど、「日本の観光産業に貢献したい」と語った。

なお、今回開業するホテルは下記の通り。