約500年の歴史あるルーヴェンカトリック大学を有し、伝統的に学園都市として栄えてきた学生の街、ルーヴェン。かつてはネーデルランド(現在のオランダ、ベルギー)の華やかな中世の首都として今もそこここに名残のあるメッヘレン。どちらもブリュッセルから電車で約30分程度の距離に位置する小さな町ですが、長い歴史を誇り、世界遺産に登録された教会や伝統工芸品の工房など、見どころの多さでは大都市にも引けをとりません。

こうした小さな町では、まずは町を一周してその雰囲気をつかみ、あとはじっくり興味のあるところを周るのがおすすめです。とはいえ、ベルギー最大のビール会社と個人経営の醸造所があるルーベンでは市庁舎の裏手にある広場がまるでビア・ホールのようなにぎわいを見せています。通りがかりについ学生たちとともに杯を傾けているうちに、観光を忘れてしまうかもしれません。

ちなみに、メッヘレンにもベルギーを代表する「グーデン・カロルス」ビールの醸造所があるので、こちらでビールの試飲をすることができます。




ベルギー最大にしてヨーロッパでも屈指の学園都市、ルーヴェン。その歴史は15世紀にまでさかのぼり、かつては哲学者エラスムスもこの町で教鞭をとったことがあるという歴史ある街です。約8.9万人の町でありながら、200以上もの大学関連施設と、学生と教師の数は3万人を超えるという規模はさすが。

また、女性の宗教ムーブメントを引き起こしたベギン会の総本山でベルギー最大の大ベギン会院Groot Begijnhofは世界遺産に登録された由緒正しき建造物。ほかにも986年に建造されたベルギー最古の教会、聖ペトロ教会やゴシック様式の傑作である市庁舎などの見どころがあります。




1506年から25年間、ネーデルランド(現在のベルギーとオランダを含む地域)の首都に定められていたのが、このメッヘレンです。当時花開いた芸術や美術が現代にも息づき、中世の装飾芸術タペストリーの町として知られています。王立デ・ウィッド・タペストリー工房では製造や修復の伝統技術を見学することができ、職人技に目を見張ることでしょう。

カリヨンの美しい音色もこの町の自慢の一つで、聖ロンバウツ大聖堂には49個の鐘からなる大規模なカリヨンが2組あり、定期的にコンサートも開催されています。ベルギーのカリヨン・コンサート発祥の地といわれており、町を散策しているときに聞こえてくる鐘の音はこの町の象徴と言えるでしょう。



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J-1  マルクト広場(出発) 市庁舎の建つ街の中心となる広場

J-2  市庁舎 300体近い人像群がファサード一面を飾る別名「石のレース」

J-3  聖ペテロ教会 15世紀ゴシック様式の傑作

J-4  アウデマルクト 大学ホール前の広場。若者たちが集まるビールの街の象徴的な地区

J-5  聖ミヒエル教会 バロック様式の建物が美しい教会。教会の歴史についての展示が見学できる

J-6  ベギン会院 世界遺産のフランダースのベギン会院のひとつでベルギー最大のもの。世界遺産

J-7  大学図書館 エラスムスらが教鞭を執った名門ルーヴェンカトリック大学の関連施設

J-8  大学ホール エラスムスらが教鞭を執った名門ルーヴェンカトリック大学の関連施設

J-9  マルクト広場(終)




K-1  マルクト広場(出発) 新旧の市庁舎の建物群に囲まれた街の中心

K-2  市庁舎 現市庁舎とかつての市庁舎(現在の郵便局と博物館)が立ち並ぶ

K-3  聖ロンバウツ大聖堂 街のランドマークとなるゴシック建築。97メートルの塔とカリヨンが特徴

K-4  王立デ・ヴィット・
  タペストリー工房
フランダースのタペストリー伝統技術と保存を紹介する唯一の機関

K-5  聖ヨハネ教会 15世紀の後期ゴシック建築。ルーベンスの祭壇画が所蔵

K-6  カリヨン学校 20世紀の名カリヨン奏者デネインが1922年に創設した王立学校

K-7  ブスレイデン邸博物館 16世紀初頭の貴族の邸宅。現在は市の郷土博物館

K-8  マルガレータの宮殿 美しい16世紀のゴシック建築で、現在は裁判所

K-9  マルクト広場(終)




美しい市庁舎のあるグロートマルクトでは、恒例の「本物の生きた馬小屋」の再現がユニークなクリスマスのデコレーションの一つです。街の人々が手を尽くして造り上げるもので、本物の羊やロバがやって来て、クリスマス・マーケットを盛り上げます。ラデウズ広場とヘルベルト・ホーフェル広場には、食べ物やキャンドルなど約140店の屋台が出展される予定です。

http://www.leuvensekerstmarkt.com/english/english.htm



歴史的に重要な意味を持つメッヘレンは、現在は春の訪れを知らせる野菜「ホワイトアスパラガス」の名産地としても有名です。地ビール「グーデン・カロルス」には、地鶏を使った名物料理を一緒に味わいたいものです。

歴史ある町並みはもちろん、市内を流れるデイル川沿いには、ファッショナブルなカフェや新しいホテルなどが建ち始め、のんびりと散策を楽しむことができるエリアが広がっています。



 
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