JATA、大使館関係者などと東北を視察、被災地のボランティア活動も

  • 2011年6月8日
仙台城址の伊達政宗像の前で

 日本旅行業協会(JATA)は6月5日から6日の日程で、駐日外国公館や各国政府観光局、外国航空会社との東北視察旅行を実施した。JATAでは4月の復興宣言後、社会貢献ボランティア活動などを実施しており、今回の東北視察は4回目。日程にはJATAのボランティア活動と観光地視察、現地観光関係者との意見交換会を含んでおり、各国大使館、政府観光局、外国航空会社から37名が参加した。

 参加者は、津波による大きな被害を受けた石巻工業港エリアを視察後、東松島市大曲地区の住宅地で道路側溝の泥かきや民家の床下の土出し、作業場の部品洗浄を手伝った。また、仙台城址と松島クルーズ、世界遺産入りが確実視されている平泉を視察し、秋保温泉に滞在。大使館関係者のなかにはコスタリカ、モザンビーク、ラトビア、アルバニアの大使も参加しており、一様に「復興の進捗を自分の目で確認できた。震災の影響は残っているが観光ができるエリアがあり、視察した場所は素晴らしかった」と述べ、自国民に現状を正確に伝え、日本への観光訪問が可能であることを発信していく意思を示した。

東北観光関係者との意見交換も

 また、現地観光関係者との意見交換では、東北観光推進機構が現在の観光状況を説明し、東北が広く、被災地以外は安全に観光ができる場所が多いことをアピール。ポータルサイトで航空や鉄道の運行情報、温泉地や観光施設の営業状況といった観光情報を発信していることを紹介した。これに対し、参加者からは観光とリンクした安全情報が十分に伝わっていないという意見が出された。

 同行したJATA理事長の柴田耕介氏は、「参加者には、旅行の楽しみとともに東北の観光状況を視察していただき、自身が見たものを本国に伝える意思を示してもらえた。一方で情報発信については、よい反省材料も得られた」と、視察の成果を強調。また、JATAが実施する社会貢献ボランティア活動については、「地域に支えられて観光地があり、それに旅行業が恩恵を受けている。地域が普通の生活に戻らなければ、観光はできない。これまでの恩返しの気持ちとともに、地域の復興を自分たちの身をもって支援することで、その関わりを感じてもらえれば」と、その意義を語った。

 なお、視察旅行の詳細は、後日レポートする。