【ホテル総支配人リレーインタビュー】第15回 ヒルトン沖縄北谷リゾート・ダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾート統括総支配人 宍倉裕氏

  • 2022年6月15日

2つのホテルをワンチームで運営
ヒルトンの2ブランドで魅力を倍増

-HOTEL THE MITSUI KYOTOの楠井学総支配人からの質問です。
これまで東京や浦安、名古屋、沖縄といろいろな都市で働かれてきましたが、そのご経験は現在の仕事にどのように役立っていますか。

宍倉 これまでの経験で、新しい環境や業務に慣れるのは早くなりましたね。そのコツも分かりました。新しい職場、ホテルに移ったら、まずじっくりと現場のスタッフやお客様の声に耳を傾けることが大切です。そうすることで、そのホテルの立ち位置や可能性が見えてくるからです。また自分がそれまで持っていた物差しとは違うことに気付く場合が多いので、自分の中の物差しを新しい環境に合わせて修正する。そこから始めることにしています。

 個人的には学生時代に国際文化を学んだこともあって、その土地固有の文化や歴史、産業、人の気質に関心があります。赴任する先々でそれらの違いに触れられるのが楽しいですね。今は沖縄に赴任して間もないので沖縄関連の本を読み漁っています。

-違う文化や気質を持った環境や人の中に入っていくのはストレスではありませんか。

宍倉 物事を常にポジティブに捉えようと心掛けています。たとえば半分までお酒が入ったグラスをどう見るか。半分も残っているハーフ・フルだと喜ぶか、半分しかないハーフ・エンプティと残念がるかは考え方次第ですから、何事もポジティブに捉えたいというのが私の考えです。

-読者へメッセージをお願いいたします。

宍倉 観光産業はとても魅力的な産業であるという点を皆さんと共有したいと思います。若い人が観光産業を離れるケースが増えているのは寂しいことです。観光産業、とりわけホテル業界は横のつながりが強く、先輩、後輩や仲間同士の間柄は会社が変わっても続きます。何か気になることや心配事があっても同業の仲間にすぐ相談できる。そういう良さがあります。

 このリレーインタビューも、ある意味で商売敵となる他企業のキーパーソンを紹介するわけですから、他の業界では成り立たない企画かもしれません。お互いに切磋琢磨し競争すべきは競争しつつも、助け合うところは助け合い、皆で盛り立てていく。そんな風に観光産業、ホテル業界を1つの会社のように見立てて、仲間と共に仕事に取り組める点は、この業界の良さであり魅力だと思います。

-最後にバトンを渡される方のご紹介と、宍倉様からその方へのご質問をお願いいたします。

宍倉 ANAインターコンチネンタル石垣リゾートの総支配人、秋間友氏にバトンを渡したいと思います。前職のストリングスホテル東京インターコンチネンタルの総支配人に30代で就任され、現在は若き総支配人としてANAインターコンチネンタル石垣リゾートを任されています。総支配人を務めるうえで若さの強みとは何か。それを伺いたいと思います。

-ありがとうございました。