夏の旅行需要、海外旅行が過去最高に、国内は微減予想-JTB調査

 JTBが7月4日に結果を発表した2019年夏休み期間(7月15日~8月31日)の旅行動向調査で、総旅行者数は前年比0.1%減の7734万人となった。国内旅行が0.2%減の7435万人と前年を割り込む予想で、これに対して海外旅行は3.5%増の299万人で比較可能な2000年以降の調査では過去最多となる予測だ。

 調査は夏休み期間に1泊以上の旅行に出かける人1030人から集めた回答に、経済指標や業界動向、航空会社やJTBグループの予約状況などから推測したもの。

 旅行の平均費用は、国内が4.0%増の3万6200円であるのに対し海外は6.2%増の22万7700円。旅行消費額は、国内が3.8%増の2兆6915億円、海外が9.8%増の6808億円の予想だ。ただし、アンケートで今後の旅行支出に対する意向を聞いた設問では、「増やしたい」と答えた回答者が10.8%いたものの昨年よりも1.5ポイント減となり、これに対して「減らしたい」が4.0ポイント増の40.7%、「同程度」が2.6ポイント増の48.5%と慎重姿勢も表面化してきているという。

 海外旅行者数増の予測根拠についてJTBでは、円高傾向や8月以降の燃油サーチャージ値上げ懸念、供給座席増、そして休みの取りやすい若い世代で所得やボーナスが増えたとする回答が優勢であることなどを列挙。景気の不透明さには言及しつつも、過去の調査でも国内旅行ほど影響を受けていないと説明している。

 旅行の同行者は家族連れが62.3%と最多で、旅行日数は日並びの良さもあり8泊以上が14.8ポイント増と大幅に増加。この結果、遠距離デスティネーションを選ぶ旅行者が増えたためか、1人あたりの旅行費用で「40万円以上」を選んだ人が4.4ポイント増の17.0%となったという。

 1人あたりの旅行費用は、もともとボリュームゾーンとなっている「10万円~15万円未満」が7.1ポイント増の23.6%、「15万円~20万円未満」が5.3ポイント増の17.0%となり、これらの価格帯に集中する傾向が見られる。「20万円~30万円未満」「30万円~40万円未満」は4.2ポイント減の10.4%と1.1ポイント減の5.7%とシェアを下げている。

 方面別では、アジアが5.0%増、北米・ハワイ・グアムが2.0%増、欧州が1.1%増、大洋州が1.7%増といずれもプラス。前年からの伸び率では、台湾が8.3ポイント増と好調なほか、グアムも6.2ポイント増となる予測だ。

 国内旅行は、景気動向や消費増税への備えもあって微減の予測。海外と同様、同行者は家族連れが67.3%で最も多く、前年比でも6.5ポイント増となった。旅行目的では、「帰省、離れて住む家族と過ごす」が19.5%で最多だったが、前年からは2.0ポイント減。逆に「温泉でゆっくりする」が4.8ポイント増の18.0%となって肉薄した。

 旅行日数では、1泊2日が36.6%、2泊3日が30.8%、3泊4日が16.9%となったが、前年比ではそれぞれ1.8ポイント増、3.8ポイント減、3.9ポイント増とまちまちな結果に。1人あたりの旅行費用では、「1万円~2万円未満」が21.8%で最多だったが0.9ポイント減、次いで多かった「2万円~3万円未満」が20.1%ながら0.4ポイント増となっている。