まちづくり観光の実現へ-東かがわ市(2) カギは"地域経営"と"ツナギ"

 続いて「東かがわまちづくり観光キックオフ」と題したパネルディスカッションが行われた。

「チーム東かがわ」でまちの良さを表現

 香川県観光協会専務理事の三谷雄治さんは、県から見た東かがわ市について「アート観光圏で、東かがわは交流地区と捉えている。生活を見てもらい、地域を味わいたい個人客を誘引するところだ」。古い町並みが魅力の引田地区について「いかにまちを歩かせるかの仕組みが必要。春の雛祭りが知られるが『一年中が引田』にしたい」。

 全日本子どもスポーツ連盟代表で、ツーリズムウォークのアドバイザーも務める久保田正義さんは、引田地区も含めた東かがわウォーキングに対して「お金をかけずにコンテンツ化するのがツーリズムウォーク。『楽しい』のエネルギーが人を呼ぶし、意見の違いも超えてつなげていける。地域内の皆の個性を認めて『チーム東かがわ』を作れば、まちの良さが表現できる」。

 ひがし北海道観光事業開発協議会事務局長の野竹鉄蔵さんは「東かがわ市の旧3町の誇りをまとめ『共存』と『競合』をポジティブに考えられる大きなキーワードがほしい」。「高速のインターを降りる理由がないと素通りするだけ。情報の発信、流通の仕組みを整えないと他地域とのツナギは確定できない。今はインターを降りてないだけで、もうひと押し。皆で協力して仕組みづくりを」と呼びかけた。

 地域内連携について、山田さんは「人材育成が大事。地域に対するアイデンティティ、地域をどう捉え直すか。これを踏まえた計画が必要で、地域の将来について責任を持って考えられる人。それが地元民だ」。

 藤井市長は「『うどん県手袋市ハマチ町字和三盆』が東かがわ。でも、いつまでもこれにしがみついているだけではいけない。新しいものを見出す観光を考えたい」「地域活性はあつれきの壁を越えることが課題。前を向き、自身と誇りを持つ。さぬき市や鳴門市も巻き込んで面での展開など幅広く観光事業を行いたい」と意欲を語った。

 最後に、観光塾で選定した「東かがわ市美景&美食50選」を発表、観光塾1期生の波多信治さんが「まちづくり観光キックオフ宣言」を行った。

 (16/05/10)


情報提供:トラベルニュース社