現地レポート:南アフリカ・ボツワナ・ザンビア、大自然を満喫

  • 2015年4月14日

野生動物とビクトリアの滝
アフリカの文化と自然を満喫する南部アフリカへ

ザンビアからボツワナへ日帰り旅行
チョベ国立公園を訪れる

水浴びをするアフリカ象の群れが間近に。ちなみに群れをなすのはメスと子供ライオンに触る時は後ろから。決して前に立ってはいけないそう  ザンビアからは隣国のボツワナにある、チョベ国立公園への日帰りツアーをぜひ組み込みたい。同公園はボツワナの北に位置し、ザンビア、ナミビアと国境を接する。広さは1万1700平方キロメートル、生息する動物は約470種だ。特に象の生息数は約5万頭で世界最大と言われ、100頭から200頭近いゾウの群は圧巻の一言。野生動物観察はチョベ川のリバークルーズとゲームドライブの両方で楽しめる。ボートからは水浴びや川渡りをするゾウの群が間近に見られ、否が応でも興奮度は高まる。陸上ではバッファローのほか、川から上がってきたカバを目にすることも。オオハシをはじめ鳥類も豊富で、バードウォッチング好きにもおすすめだ。ただし、乾期(9月~1月)はゾウの数が激減するので注意したい。

チーターは飼い慣らすことのできる数少ない猛獣のひとつ。係員によると「巨大な猫のよう」  このほかザンビアのビッグ5サファリではチーターやライオンと直に触れあえ、散歩が楽しめる。ここは私設のサファリパークで、ライオンやチーターなどの保護、育成、繁殖などをおこなっており、人に慣らした動物たちを実際に見せながらのレクチャーを通して、アフリカの自然について学べる施設にもなっている。触れられるとはいえ、猛獣であることは変わりないので、係員の指示は絶対に従うことだ。

上空から見たビクトリアの滝。ザンベジ川の流れや立ち登る水煙、何よりその大きさに圧倒される  野生動物や大自然の景観など、アフリカの懐の広い雄大さは現地を訪れなければ体感できない。食事も一般的な西洋料理と変わりなく日本人の口に合い、ラグジュアリーなホテルやロッジ、都市部ではシティホテルなど、観光地のインフラも整備されている。またゲームドライブで野生動物が悠々と歩く姿を直に目にすることはやはり胸が躍る。陸や川、土地や時間が違うと見られる動物たちも変わるので、行程や顧客の志向に応じて数回は組み込みたい。アフリカ南部へはSA利用なら香港経由でヨハネスブルクまで計16時間から17時間となるが、アフリカならではの非日常感を味わいに行く価値は十分にある。

エボラ出血熱は収束へ
ユニビザ発給などリカバリーをはかる

南アフリカの国立伝染病研究所のルシル・ブランバーグ教授  南アフリカへの観光客数は2010年のサッカーワールド杯以降増加を続け、2013年は対前年比22%増の4万1961人を数えた。だが2014年のエボラ出血熱の影響で打撃を受け、SAによると、関係諸機関では対前年比30%減と見込んでいる。

 南アフリカの国立伝染病研究所のルシル・ブランバーグ教授は、南アフリカとエボラ出血熱が流行している西部アフリカは約6000キロメートル離れており、エボラ出血熱は空気感染せず、発症地域に行かない一般旅行者が感染する可能性は極めて低いと説明。入国時のチェックや、万一感染の疑いがある者が出た場合でも迅速かつ徹底した隔離政策を取る準備をし、日本の医療関係者と共同で薬の開発を実施しているとした上で「エボラへの知識を持つことが大事。安心して南部アフリカを訪れてほしい」と話す。

 また2015年2月から日本人観光客に対してはボツワナ、ザンビアから南アフリカに再入国する際に必要な黄熱病の接種が免除された。さらに2014年秋から南アフリカ、ザンビア、ジンバブエ、ボツワナ、アンゴラ、ナミビアの6ヶ国を1回のビザの取得で周遊可能なユニビザのトライアルを開始している。発給予定国には日本も含まれており、正式な運用になればビザ取得代が50米ドルと割安になり、アフリカツアーの行程に幅が広がるだろう。今後の動向に注目したい。



取材協力:南アフリカ航空
取材:西尾知子