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在ハワイ日本人から見たハワイの今ー「大阪鉄板焼 河野」オーナー河野陽氏

  • 2020年11月30日
「大阪鉄板焼 河野」オーナー河野氏。
インタビューはオンラインで実施した

 日本人の海外旅行先として不動の人気を誇るハワイ。11月6日には、渡航前に新型コロナウイルス(COVID-19)の検査を受けて陰性と判定された場合14日間の自主隔離を免除する「事前検査プログラム」に、米国以外では初めて日本発が加えられた。年末年始に向けて航空各社もハワイ行きの便を増やすなか、現地はどのような状況なのか。オアフ島のショッピングセンター内で日本食居酒屋「大阪鉄板焼 河野」を営む河野陽氏に、日々のニュースからだけでは見えてこないハワイの今を伺った。インタビューは11月17日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

-まずはお店について教えてください

「大阪鉄板焼 河野」店内 河野陽氏(以下敬称略) 店名は「大阪鉄板焼」ですが、ハワイでは「Izakaya」や「Sushi Izakaya」という言葉が流行っていて、お客さんも粉モノだけだと物足りないと感じてしまうため、揚げ物やお刺身、巻きずしなど、日本の居酒屋と同じように幅広いラインナップにしています。私は大分出身、妻は大阪出身ということで、それぞれの土地で人気の料理を地元の食材でアレンジして提供しています。

 観光客の少ない地域なので、客層の7割は地元の方、残りの3割はハワイ在住の日本人の方です。と言うと、COVID-19の影響は少なかったのではと思われるかもしれませんが、ハワイでは3月20日にロックダウンが始まり、店内での飲食が禁止されました。日本では「自粛」ですが、こちらでは法律で定められているため、もしお客さんを入れたら罰金や営業停止処分の対象になります。4月から5月にかけてはかなり苦しい状況に立たされました。

-外食の規制は徐々に緩和されているのでしょうか

カラカウア通り 河野 ハワイでは経済の回復に向け、Tier1からTier4までの「Recovery Framework」を設けています。この枠組みは島ごとに異なり、オアフ島は11月現在、4段階中2番目に厳しいTier2。店内での飲食は認められていますが、お客さんを入れるのは収容人数の50%までという制限があります。

 また、ハワイでは酒類の提供に関するルールも厳しく、通常時でも時間の制限がありますが、今は22時以降にテーブルにお酒があると、酒類を提供するライセンスを剥奪されるなどの罰則が科されます。BYOB(持ち込み)も同様の扱いです。

ワイキキビーチ

 私の店は現在16時から深夜1時まで営業しています。ロックダウン時に比べれば客足は増えているとはいえ、売上は昨年比で70%から80%程度で、地元の方々に支えてもらって何とかやっていけている状態です。同業者では90%以上落ち込んでいるところもありますし、ワイキキなどではいまだに営業を控えている店舗もあります。

-ハワイ内でのマスクの着用状況はいかがでしょうか

河野 あくまで私の体感ですが、オアフ島に関しては、住民の8割以上がマスクを着用していると思います。一方本土からの旅行者と思しき人は、ほぼ100%着用していません。「検査を受けて72時間以内に来島しているのだから自分は感染していない」ということなのでしょうが、マスク非着用については罰金100ドルと定められており、旅行者が切符を切られる姿をよく見かけます。その場合、所定の用紙を渡されて期日までに支払うのですが、ハワイの良くないところで、本土の人は支払わずに帰ってしまうことが多く、州として後追いもしていないようです。地元の人間がたまたまマスクをしていなかったようなときは、住所を割り出されてとことん追い詰められるのですが(笑)