豪州を拠点とする大手サイトコントローラーのサイトマインダーはこのほど、欧米や東南アジアなど10ヶ国について、ホテル収益の流入元として上位の販売チャネルをリスト形式で公開した。これによると、ブッキング・ドットコムとエクスペディアグループが最上位に位置する傾向は変わらないものの、ホテル公式サイトによる直販戦略が功を奏しているほか、アゴダなどのOTAもシェアを拡大しているという。

　調査は20ヶ国について実施したもので、そのうち14ヶ国で公式サイトでの直販が順位を上げたか5位以内を維持。アゴダは欧州・中東・アフリカ（EMEA）地域で飛躍した。また、欧州ではTrip.comがフランスに続いてイタリアでも上位に名を連ねた。

　このほか、欧州とアフリカ、米大陸ではエアビーアンドビーが上位12位にランクイン。同社は2018年にホテルの取り扱いを開始しサイトマインダーとも契約していたが、2年弱で上位にくい込んだかたちだ。

　サイトマインダーでシニアディレクターを務めるジェームズ・ビショップ氏はエアビーアンドビーの伸長について、発表文のなかで「ホテル業界がエアビーアンドビーをパートナーとして前向きに受け入れる姿勢の表れで、また客室だけでなく経験を販売することのメリットも歓迎されている」と分析。また、エアビーアンドビーのユーザーもいわゆる「民泊」だけを探しているわけではないと指摘している。

　なお、サイトマインダーのプラットフォームは2019年に宿泊施設3万5000軒の1億500万件のオンライン予約を処理し、その総額は350億米ドルに上ったという。