エジプトエアー、来夏ダイヤの増便と新機材で歩む「正しい道」
ファラハト氏が7年ぶりに日本支社長着任
関空線再開は「できれば今年中」
エジプト航空改めエジプトエアー(今年から日本における名称を変更。以下MS)は、2011年の「アラブの春」以降続いた政情不安によって一時は運休となった日本路線を再び盛り返すべく、17年10月に成田/カイロ線を週1便で再開した。その後は着実な拡充をめざし、18年12月には現在の週2便へと増便。加えて今年の夏ダイヤには週3便化するとともに、現在のB777-300ER型機に代えて新機材のB787-9型機を投入する計画だ。昨年の7月に再び日本・韓国地区支社長に就任したモハンマッド・ファラハト氏に現在の状況と、今後の見通しを聞いた。
モハンマッド・ファラハト氏(以下敬称略) 日本への赴任は7年ぶりだ。前回は08年から大阪で2年間、10年から東京で2年間と合わせて4年間を過ごし、その際には日本支社長を務めて、日本の旅行業界の皆さんには大変お世話になった。その後は12年11月に本社に戻り、ビジネス開発やセールス、マーケティングなどの各部門の責任者となり、直近ではスペイン・ポルトガル地区の支社長を務めていた。
エジプト国内の政情不安による需要減で、13年7月に日本路線がすべて運休になったことは悲しかったが、その後もずっと再開を願っていたので、17年10月に週1便とはいえ、ようやく成田/カイロ線の運航を開始できたことは嬉しかった。その後は18年12月に週2便化し、今年の夏ダイヤからは週3便に増やすが、増便を前に日本に帰って来ることができて大変光栄だ。再び日本の皆さんと仕事ができることは非常に嬉しい。
ファラハト 前回勤務していた当時、MSは最大で成田/カイロ線を週6便と、関空/カイロ線を週4便運航し、日本/エジプト間の定期便は週10便に上った。しかし減便や運休を続けている間に他の航空会社が力をつけてきて、日本路線を巡る競争は激しくなっている。
とはいえMSは1962年に日本路線を開設し、初めて日本とアフリカ、中近東を定期便で結んだ航空会社であり、日本とエジプトは強い絆で結ばれている。途中で運休期間を挟んだものの、57年間もの実績と歴史の積み重ねは大きい。今は少しでも早く、以前のように多くの便を運航できるようにしたいと考えている。
近年のエジプトの政情は落ち着いてきており、外務省の海外安全情報に関しても、日本人観光客が多数訪れるカイロ、ルクソール、アスワン、アブシンベル、アレキサンドリアなどはレベル1で問題なく旅行できる。日本の旅行会社も「エジプトの商品化に問題はない」と認識しているものと理解している。