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日韓交流回復へ330人が期待-KTO、東京支社50周年で「韓国の夕べ」

  • 2019年11月22日

会場の様子  韓国観光公社(KTO)東京支社はこのほど開設50周年を記念し、都内のホテルに日韓の政官民の関係者約330人を招いて「韓国観光の夕べ」を開催した。冒頭で挨拶に立ったKTO社長の安榮培(アン・ヨンベ)氏は、1969年に初の海外支社として設けられた同支社が、その後50年間にわたり日韓両国の観光産業の発展に寄与してきたことを説明。現在の日韓関係の悪化に起因する交流縮小については言及せず、近年のスマートフォンの普及やICT技術の発達が旅行に与える影響などについて述べた上で、「これまでの50年を足掛かりに、スマートツーリズムなど新たなトレンドと連携した持続可能な観光目標に向け、より一層力強く羽ばたくための基盤を作りたい」と語った。最後には「首里城の1日も早い復元をお祈りする」と日本の関係者を気遣い、挨拶を締めくくった。

安氏  来賓による祝辞では駐日韓国大使の南官杓(ナム・グァンピョ)氏が、昨年に日韓の交流人口が1000万人を超えたことや、両国が互いのインバウンド旅行において2番目に大きな市場となっていることなどを説明し、両国の結びつきを強調。その上で「両国の関係を心配している人も多いと思うが、冬の後には必ず春来る」と語り、今後の日韓関係の改善に期待した。

赤羽氏  国土交通大臣の赤羽一嘉氏は10月の訪日韓国人旅行者数が前年比約66%減となったことなどについて述べた上で、このほど開催されたG20観光大臣会合では韓国文化体育観光部長官の朴良雨氏とバイ会談を実施したこと、会談ではJATAが主導している「ハタチの一歩 20歳初めての海外体験プロジェクト」を紹介し、若者の交流促進に向けて韓国側にも同様の取り組みを提案したことなどを説明。衆議院議員で日韓親善協会中央会会長の河村建夫氏は、現在の日韓関係について「かつてなく悪い」との見方を示した上で、「安社長には控室で『今が底で、もう1度上昇機運に乗せる』と伝えた。日韓間ではギリギリの努力が続けられている」などと語った。

田川氏  その後は東京支社の50周年の歴史を紹介する映像や、俳優のリュ・シウォンさんやなどによるビデオメッセージを上映。あわせて日韓の交流発展への貢献を称えて、日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏、朝日新聞東京支社の桜井泉氏、ラジオDJの古谷正享氏に感謝状を贈呈した。一方、田川氏はJATA会長として、過去に東京支社長を務めた金載元(キム・ジェウォン)氏、申喜秀(シン・ヒス)氏、呉龍洙(オ・ヨンス)氏、康重石(カン・ジュンソク)氏の4氏に感謝状を贈呈した。

 田川氏は挨拶において「この50年間は山あり谷ありだったが、谷の時は民間の立場で頑張り、山の時は盛り上げてきた。今は谷間にいるが、改めて旅行業界が一緒になって頑張っていかなければならない。今こそ職場旅行などで韓国に行ってほしい」と強調。あわせて「その際には是非とも旅行会社を使ってほしい」と呼びかけて会場の笑いも誘った。