「アクセス廃業」、トラベルポート日本支社長が語るその後の成長戦略

開いたパンドラの箱
柔軟な「グローカル」対応でユーザー獲得めざす

 トラベルポートとアクセス国際ネットワークによる合弁会社設立計画の発表、そして同計画の白紙化、さらにはアクセス国際ネットワークの営業終了発表と目まぐるしく変化した一連の動き。その渦中で、当事者の一方であるトラベルポートは、GDS・CRSを巡る日本の状況をどうみているのか。トラベルポート・ジャパン代表取締役社長の東海林治氏に聞いた。(聞き手:当社代表取締役社長 岡田直樹)

-アクセス国際ネットワークとの合弁会社設立計画が頓挫した理由から伺いたいと思います。先ごろ来日したアジア太平洋・中近東地区マネージング・ディレクターのマーク・ミーハン氏は、デューデリジェンス(資産価値や収益力、リスクの詳細な調査分析)に言及されていましたが

東海林治氏(以下敬称略) そもそもなぜ合弁会社設立を思い立ったのかから説明したい。GDSが担う旅行産業のプラットファーマーとしての役割を果たすには、テクノロジーに対する莫大な投資をし続けねばならない。そういう条件のもと航空会社や旅行会社が求めるディストリビューションを(CRSが)単独で実現していくのは難しい面がある。従って将来的には日本においてもGDSの統合が進み絞られていくと見ている。

 また、業界環境として、将来的に旅行会社の収益源はさらに減少しかねない。一方、プラットフォーマーが日本航空(JL)、全日空(NH)という航空会社の傘下にある環境は日本の極めて特殊な点といえる。そうした環境のもとで旅行会社が業務効率を上げ収益を確保していくためには、さまざまな仕事をワンストップでできるGDSが旅行産業のインフラとして不可欠だ。そうして考えた時に、トラベルポートやアクセスが狭い日本で競争している場合ではない。

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