「世界一普通じゃないエアライン」エルアル・イスラエル航空に聞く
来年3月に成田/テルアビブ線、日本では成功できるか
「最も安全な航空会社」としての姿も紹介
エルアル・イスラエル航空(LY)は来年の3月11日、日本/イスラエル間における初めての定期便として、週3便の成田/テルアビブ線を開設する。近年における2国間交流の活発化を受け、晴れて日本路線を開設することとなったが、ユダヤ教を国教とし、隣国と緊張関係にある特殊な国の会社ゆえに「世界で最も普通ではない航空会社」、そして厳重なセキュリティチェックゆえに「世界で最も安全な航空会社」とも評されるLYは、果たして日本ではどのように受け入れられるのか。このほど来日したイタリア、アジア&オセアニア担当マネージング・ディレクターのヨアフ・ワイス氏に、日本路線の勝算を聞いた。
ヨアフ・ワイス氏(以下敬称略) 最大の理由は、日本とイスラエルの交流規模の拡大で、数年をかけて市場をモニタリングした結果、両国間には大きな可能性が存在することが分かった。お互いの国への訪問者の総数は過去4年間で8割も増大し、今後も伸びが見込めるだけでなく、近年は日本企業が研究開発部門をイスラエルに開設するなど、投資も拡大している。このような良好な2国間関係に支えらえれ、直行便を維持する十分な旅客需要が見込めると考えた。
もう1つの理由はワイドボディ機の保有数拡大で、発注した16機のB787型機を来年までにすべて受領することで計20機にまで増え、これまでは北米路線を中心に運航してきた長距離路線を、他の国々へも展開できるようになる。成田線ではビジネスクラス32席、プレミアムエコノミークラス28席、エコノミークラス222席、計282席のB787-9型機を使用する。
東京についてはアジアにおける次なる就航地として常に候補に挙がっていたが、長らくスロットの問題が立ちはだかっていた。しかし15年には両国間の航空当局間協議が開催され、諸々の条件が整った。今回の成田線開設はLYの長年の夢が実現したことになり、非常にエキサイトしている。
ワイス まだ発売したばかりで、しかも現段階ではイスラエルでの販売に焦点を当てているので、日本でははっきりした動向が表れているとは言えない状況だ。ただしイスラエルでの販売については順調と見ている。
もちろん日本での販売促進にもなるべく早く取り掛かり、旅行会社とFITの両方にアプローチを強化する。今回の来日も旅行会社へのセールスを目的としており、間もなくFITに向けた広告展開も開始する。