JTBの「旅革命」、欧州バス事業の現状は?冬の新コースも販売開始
VFR需要が顕在化、想定より早いオンラインの浸透も
他社経由の販売も強化
JTBが「欧州旅革命」と銘打って開始したシートインコーチ(SIC)型の周遊観光バス『ランドクルーズ』が、この4月に無事に運行を開始した。同事業を担当するJTBグローバルDMC事業部インハウス事業担当部長の大槻剛氏によると、昨年11月末に販売を開始してからの予約人数(利用済み分を含む)は約1500名で当初の計画値は上回って推移しているものの、「普及には2、3年かかると考えており、もう少し経ってからでなければ評価はできない。一喜一憂はしない」との考えで、腰を据えて取り組みを進めていく方針だ。
ランドクルーズは、ホテルでの前泊と朝食にバスの移動と観光を基本の組み合わせとし、欧州12ヶ国の総延長1万4000キロメートル超を約130区間に分けて設定。旅行者はこのなかから好きな区間を1区間から選んで利用することが可能だ。
昨年11月の「ランドクルーズ」発表から約1ヶ月後にはミキ・ツーリストも欧州でのSIC「「JOIBUS(ジョイバス)」を発表したが、後者が各国からの旅行者の混乗としているのに対し、前者は全便に日本語を話す現地係員を配して、日本市場に特化して添乗員付きツアーと同レベルの現地サービスを提供することが特徴となっている。
大槻氏によると、販売から約7ヶ月、運行開始から約3ヶ月の現状として、まず店頭の販売比率は55%程度で、残りはオンライン販売となっている。オンライン比率は当初は3割程度を想定していたが、現状で「圧倒的なボリュームゾーン」という50代、60代の顧客層がオンラインで購入する傾向が強くなっているという。
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「VFR需要」が顕在化、独クリスマスマーケットなどコースも充実
「VFR需要」が顕在化、独クリスマスマーケットなどコースも充実