IATA、電話番号とメールアドレスの収集を義務化、国際線の予約・発券で
国際航空運送協会(IATA)がIATA代理店に対して旅客の連絡先の収集をこれまで以上に強く求めるレゾリューション830dが、6月1日から発効する。具体的には、旅客の携帯電話番号とメールアドレスの収集を義務化するもので、日本でも各航空会社がIATA代理店に対して対応を求めはじめている。
レゾリューション830dは航空券の予約方法について定めたもので、このうち第4項ではもともと「代理店はPNRに電話番号とメールアドレスを入力することにより、(航空会社に対して※編集部注)旅客の連絡先情報を提供するべき」としていた。
これに対して、新たに発効する第40版では、「代理店は発券までの間に旅客に対し、航空会社へ連絡先情報を提供する意思があるかを確認しなければならない」、「旅客の同意は個人データ保護に関するあらゆる指令や規制に対応して得なければならない」、「旅客が同意しない場合には、フライトキャンセルや遅延などのスケジュール変更時に航空会社からの情報を受け取れない可能性があることを能動的に忠告しなければならない」などとし、そのうえで同意が得られた場合は連絡先情報を、得られなかった場合は拒否された旨をPNRに入力しなければならないと定めている。
英文で新旧を比較すると、「するべきである(should)」とあった部分が「must(しなければならない)」とより強い文言へ書き換えられている点も目立っている。
航空会社側では、6月1日を前に日本でも文書などで代理店へ通知を開始。PNRには、SSR CTCE(メールアドレス、E-mail)、SSR CTCM(携帯電話番号、Mobile)を、拒否された場合にはSSR CTCR(refused)を入力するよう求めている。また、レゾリューション830dに対応できなかった場合の罰則などの規定を明示する航空会社は現時点では確認できていない。