旅行業倒産、18年は件数・負債とも減、過去20年でも最少規模
東京商工リサーチ(TSR)によると、2018年における年間での旅行業の倒産発生状況(負債額1000万円以上)は、件数が前年比2.5%減の27件、負債総額が90.5%減の20億2900万円となった。いずれも3年ぶりに前年を下回ったもので、1999年からの20年間で見ると、件数は16年に並んで2番目に少なく、負債総額は15年を下回って最少となっている。
負債総額の大幅減は17年のてるみくらぶからの反動が最大の要因だが、負債が5億円以上となった倒産が3件から0件となったほか、18年は従業員5人未満の倒産が18件と全体の7割近くを占めるなどしたことにも起因している。
原因別では、「販売不振」が10.5%増の21件となり全体の77.7%を占めた。これに「既往のシワ寄せ」、「売掛金等回収難」を足し合わせた「不況型倒産」を数えると23件で、割合は85.1%となった。資本金別では1000万円以上5000万円未満が17件、100万円以上500万円未満と500万円以上1000万円未満が4件ずつ、1億円以上と100万円未満、個人企業などは発生がなかった。
このほか、地区別では関東が6.2%増の17件で全体の62.9%となり、以降は中部が5件、近畿2件、東北、四国、九州が1件となった。
なお、12月単月では倒産件数が3件、負債総額が1億9000万円となり、それぞれ前年から2件、1億6000万円増加した。