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静岡県第1種の国際観光、破産手続開始決定、負債4.4億円

  • 2018年8月6日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、静岡県静岡市の第1種旅行会社である国際観光が7月9日、静岡地方裁判所による破産手続開始の決定を受けた。負債総額は約4億4000万円。

 同社は1952年、静岡県の教育事業団体のひとつとして教職員によって設立され、静岡市の本社を拠点として沼津市、藤枝市、磐田市に営業所を置き、県内の小中学校や養護施設などの修学旅行と遠足を中心に旅行事業をおこなっていたほか、海外・国内の募集型企画旅行として「ハッピーツアー」も展開していた。

 ピーク時の1998年2月期には約37億円の売り上げを記録していたものの、その後、教育旅行市場へ新たに参入する旅行会社が増えてきたことで競争が激化。学校側も予算の制約などから、随意契約での受注も難しくなり、手数料収入の減少などもあって、減収で推移する経営を強いられてきた。採算性が悪化したのに加えて、資金繰りも厳しさを増す中で決済不能に追い込まれ、今回の破産開始決定にいたっている。

 日本旅行業協会(JATA)は既に、7月2日の同社による営業停止を受けて、同社との旅行業務に関する取り引きによって生じた債権を持つ旅行者を対象に弁済業務を実施している。