メルカリ、旅行事業は子会社が総力挙げ開発-今秋にローンチ
フリーマーケットアプリ最大手のメルカリの100%子会社であるソウゾウで取締役を務める掛川紗矢香氏は、このほど本誌の取材に応え、7月末に明らかにした旅行事業参入の背景や、今後の方向性について語った。メルカリグループの新規事業開発を担う同社は今春に経営体制を刷新するとともに、新たな事業開発分野として「旅行」を選択。経営資源の集中に向けて既存のサービスを整理するなか、3サービスの提供中止を決定し、今後は経営資源をすべて旅行関連事業に投入して「次のメルカリ級事業を開発する」という。
ソウゾウは今月中に、いずれも昨年以降に開始した、ブランド品特化型のフリーマーケットアプリ「メルカリ メゾンズ」、即時買取サービスの「メルカリNOW」、知識や技術などを売買する「teacha」の3サービスの提供を中止する。一方で今後は「これまでの『メルカリ関連事業の拡大』というテーマから離れ、モノではなく体験などの『コト』を扱うサービスの開発に絞る」との考えで、旅行事業については、チャットや音声などに関する「コミュニケーション」および「AR/VR」などをあわせた複数の候補のなかから選択したという。
同社は現時点で旅行関連事業の概要をほぼ明らかにしておらず、検討段階にある事項も多いとしているが、掛川氏によれば提供するプロダクトは「旅の問題の解決につながるプラットフォーム」で、CtoCのスマホアプリなどを検討しているとのこと。ビジネスチャンスは旅マエ・旅ナカ・旅アトのすべてに求め、「広がりのあるプラットフォームにしたい」とビジョンを示すが、取り扱う領域については今後の検討や開発の状況次第で絞り込む可能性もあるという。ビジネスモデルについては「メルカリと同じ仲介手数料モデルの可能性を含めて検討中」と語るにとどめ、取扱額などの目標も非公開とした。
なお「次のメルカリ級事業をめざす」との考えから、ユーザーは既存のメルカリ会員に頼らず「メルカリエコシステム」の外に求める考え。メインターゲットについては「リサーチ中」と述べた上で、性別や年令を問わず取り込みをめざし、日本人の旅行に限らず、訪日を含む外国人の旅行も視野に入れる考えを示した。
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