エボラブルアジア、12億円でDeNAトラベル買収、子会社化へ

  • 2018年5月14日

 エボラブルアジアは5月14日、DeNAトラベルを完全子会社化すると発表した。同日にディー・エヌ・エー(DeNA)と株式譲渡に関する基本合意書を締結。18日に譲渡契約を締結し、31日に全株式を12億円で取得する。エボラブルアジアは海外旅行の取扱強化をはかる考えで、既存事業の整理を進めるDeNAは旅行事業から撤退する。DeNAによれば「トラベル事業のさらなる成長のためには、パートナーにお渡しすることが最善と判断した」という。

 DeNAトラベルの18年3月期の売上高は前年比6.5%減の56億8100万円、営業利益は19億6100万円の赤字(前年は3億5400万円の黒字)、当期純利益は18億8400万円の赤字(前期は1億5200万円の黒字)。DeNAは赤字の理由として、メタサーチの台頭や他社との競争環境の激化などを挙げている。

  DeNAトラベルの社名やウェブサイト名については変更する予定。代表取締役社長の大見周平氏はDeNAに帰任する予定で、社長も変更する。後任は追って決定する予定。社員はDeNAの出向者などの例外を除き、引き続き雇用する。

 なお、エボラブルアジアの18年9月期(17年10月1日~18年9月30日)の連結取扱高の見通しは約700億円、DeNAトラベルの18年3月期(17年4月1日~18年3月31日)の取扱高も約700億円であることから、子会社化により取扱高1400億円以上の「業界第2位の総合OTA」が誕生する見通し。「近い将来の目標」として取扱高2000億円を掲げるという。

 エボラブルアジアによれば、同社は国内航空券販売、DeNAトラベルは海外航空券やホテル、ツアーなどに強みを持ち、得意分野が異なることから、互いの強みを活かしたシナジーをめざす考え。航空券などの仕入れなどで相互に連携し、ボリュームディスカウントによる仕入れコストの削減や、システムの連携や共通化による開発コストの削減をめざす。将来的には仕入れやシステムなどの統合も検討する。

 エボラブルアジアの航空券予約サイト「エアトリ(Airtrip)」の会員数は52万人、DeNAトラベルの会員数は202万人で、合計254万人に対し、旅行商品の相互販売もおこなう予定。契約法人数はエボラブルアジアが1273社、DeNAトラベルが1388社で計2661社に及ぶという。