弁済分担金の追加、海外ツアー年8億円以上対象に、180万円から

  • 2018年4月1日

 国土交通省は3月30日付の官報で、営業保証金制度の見直しを含む旅行業法施行規則の一部を改正する省令を告示し、4月1日から施行した。てるみくらぶ問題を受けた再発防止策の一環で、第1種旅行業者の営業保証金については、年間の海外募集型企画旅行の取引額が8億円以上の旅行会社が、取引額の多寡に応じて900万円から5000万円を上乗せすることを決定。旅行業協会の加盟会社は弁済業務保証金制度において5分の1の金額の分担金を供託するため、追加額は180万円から1000万円までとなる。

 なお、観光庁産業課によると全国の第1種旅行業者約700社のうち、分担金の引き上げ対象となるのは約2割の140社。納付期限は施行日から3ヶ月以内で、各社の決算日によっては100日以内となる。

 これまで旅行会社の営業保証金および弁済業務保証金分担金の金額は、各社の海外・国内・訪日などをあわせたすべての旅行業務の前事業年度の年間取引額に応じて決定していたが、今回の省令改正では新たに別表を設け、前事業年度の海外募集型企画旅行の年間取引額を10段階以上に区分し、各社が追加供託する営業保証金の額を示した。従来の営業保証金の額を0.109倍して算出したもので、同課によれば、第1種旅行業者の総取扱額における海外募集型企画旅行の取扱額が10.9%を占めることを根拠にしたという。

 新たに追加された営業保証金額の別表によると、海外募集型企画旅行の年間取引額が8億円未満の場合、営業保証金の追加額は0円。8億円以上9億円未満の場合は900万円で、旅行業協会の加盟会社の分担金は180万円となる。年間取引額が1000億円以上2100億円未満の場合、営業保証金は5000万円で分担金は1000万円。なお、年間取引額が2100億円以上の場合については、1000億円につき営業保証金は1100万円、分担金は220万円の追加が必要となる。

 なお、今回の省令改正では地域限定旅行業社の営業保証金について、従来は年間取引額が5000万円未満の会社に対して100万円としていたところを、400万円未満の会社については15万円に引き下げた。地域限定旅行業者の平均取引額が1000万円未満である実態を受けたもので、400万円以上5000万円未満については従来と同じ100万円とする。

 従来の制度における営業保証金と弁済業務保証金分担金の額、および海外募集型企画旅行の年間取引額に応じた追加額は以下の通り。