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フィンエアーCEO、改めて日本重視の姿勢-来夏は週31便

  • 2017年10月30日

ヴァウラモ氏  このほど来日したフィンエアー(AY)CEOのペッカ・ヴァウラモ氏は本誌の単独インタビューに応え、改めて日本市場を重視する姿勢を示した。インタビューの冒頭では「1983年に週1便で運航を開始してから来年で35周年を迎えるが、日本はAYの売上高において、長らく本国のフィンランドに次ぐ規模を誇っている」と説明。その上で今後の旅行会社との協力関係や、路線展開などについて考えを語った。

 AYによれば2013年6月のCEO就任以来、ヴァウラモ氏の来日は4回目。今回は2泊3日の滞在で「旅行会社との関係強化」に的を絞って来日したという。ヴァウラモ氏は「日本の旅行会社の方々に会うことは楽しみ。着任直後も、まずは日本を訪問して各就航地を訪れた」と語り、「来年には是非とも35周年の記念パーティーを開催したい」と意欲を示した。

 今夏に3回目を実施した、フィンランドへのモノツアー商品造成促進のための大規模ファムについても、引き続き実施する考えを説明。「フィンランドは冬のデスティネーションのイメージが強いが、ファムでは初夏の最も美しい時期に現地を見ていただける」とアピールした上で、「旅行会社からは強い意欲を感じている。今後も魅力的な商品造成につなげていただきたい」と要望した。

 路線展開については、A350-900型機などを使用して週11便で運航している成田/ヘルシンキ線を、来年の5月から10月までダブルデイリー化することを強調。「成田線は週11便化した後も搭乗率が伸びている。需要の割合も現在は日本発が65%、欧州発が35%を占めるが、50対50に近づきつつある」と述べ、自信を見せた。同路線は17年冬ダイヤでは一旦週7便に戻すが、18年3月25日からの夏ダイヤでは再び週11便に増便。期中の5月12日から夏ダイヤの終わりまで1日2便化する。

   AYは17年夏ダイヤでは成田・関空・中部・福岡からヘルシンキへ最大で週28便を運航しているが、来夏には最大週31便にまで増加する。欧州系航空会社の日本への運航便数としては最大級の規模となる。

 16年から夏ダイヤ限定で運航している福岡線については、来年も運航することを約束。今年については「福岡発便の出発時刻を昨年から30分遅らせることにより、南九州地域の需要を取り込んだ」と説明し、今後の増便に意欲を見せた。

 福岡に続く5都市目の就航地については「発着枠などの状況については理解しているが、やはり羽田が欠けている」とコメント。現在は2割程度にとどまるビジネス需要をさらに獲得するためには、羽田線が不可欠との見方を示した。その他の都市については「さまざまな可能性がある。人口や産業、パートナーである日本航空(JL)のネットワークなど、複合的な観点で検討する」と述べるにとどめた。

 そのほか、頻発しているヨーロッパでのテロ事件の影響については「事件が発生し始めた15年頃にはキャンセルも目立ったが、最近では影響も小さい」と説明。北朝鮮のミサイル問題については「現時点ではリスクは限定的と見ているが、スケジュールに影響が出ない範囲でより安全なコースに変更するなど、絶えず状況を注視して対応している」と伝えた。