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宿泊予約売買のCansell、自社買取で取扱拡大、航空券にも関心

  • 2017年10月12日

山下氏  国内の宿泊予約の権利を売買できるウェブサイト「Cansell」を運営するCansellの代表取締役の山下恭平氏はこのほど本誌のインタビューに応え、宿泊予約の出品件数増をめざし、予約を買い取るサービスを開始したことを説明した。同氏によれば現在の出品件数は「月に3桁未満」と少ないが、積極的な買い取りにより2018年には「月に数百件規模」をめざす考えだ。山下氏は、将来的には海外の宿泊予約、航空座席など宿泊以外の予約についても取り扱いたいと意向を示した。

 「Cansell」は、宿泊施設からの直接、またはOTAなどを介して予約した宿泊をキャンセルしたい旅行者が、宿泊の「権利」を出品し、他の旅行者に販売できるウェブサイト。同社が予約者の名義変更の可否などを宿泊施設や旅行会社に確認した上で、審査を通過した場合のみ掲載する。同社によれば「売り手はキャンセルのための支出を減らすことができ、宿泊施設はキャンセル料の回収漏れや、間際の空室の叩き売りなどを回避できるメリットがある」という。

 ただし山下氏は、現状については「売り手が設定する価格と買い手が求める値段にギャップがある」と説明。成約率の低さを課題として挙げ、「適切な値付け」を推進するために自社で予約を買い取っていく必要があると主張した。「権利」の売り手からも「買い取りを望む声は多かった」という。

 同氏はそのほか、さらなる認知度向上に向けて、OTAやメタサーチとの提携、ソーシャルメディアを活用した情報発信を強化していることを紹介。また「20年の東京オリンピックまでは宿泊施設の取り扱いに集中する」としながらも、その後については宿泊施設以外の国内線航空券やレストランなどの予約の取り扱いを検討する考えを示した。航空券については「実施するなら航空会社と組んで、公式の2次流通サービスとして機能させるしかないのでは」と述べた。

※インタビューの詳細は後日掲載予定