EXPO、「JAPAN NIGHT」に代わりレセプション、2会場で
国内最大の旅行博覧会「ツーリズムEXPOジャパン2017」が開幕した9月21日の夜、会場の東京ビッグサイト内で関係者を対象とする「WELCOME RECEPTION」が催された。これまでユニークベニューを活用して開催していた「JAPAN NIGHT」に代わるイベントで、国内・訪日旅行の関係者を対象とする「JAPAN」と、海外旅行の関係者を対象とする「WORLD」の2会場で実施。それぞれの会場で来賓が挨拶したほか、プロのパフォーマーなどが参加者を楽しませた。
このうち展示棟のホールで開催された「JAPAN」では、主催者を代表して日本政府観光局(JNTO)の松山良一氏が「今回の滞在で日本の良さを体験して、各国に帰ったら宣伝していただきたい」と挨拶。続いて昨年と同様に、来賓として内閣官房長官の菅義偉氏、国土交通大臣の石井啓一氏が登壇した。両氏はともに観光先進国化への意欲をアピールし、菅氏は「できる施策にはすべて取り組む」、石井氏は「EXPOが相互理解を促進し、観光先進国の実現に資することを期待する」と語った。
その後は、海外でも活躍する和太鼓集団の「DRUM TAO」や、日本航空(JL)の客室乗務員からなるチアリーディングチームの「JAL JETS」などがパフォーマンスを披露。会場内では酒蔵ツーリズム推進協議会が各地の日本酒をアピールしたほか、日本電信電話(NTT)が松竹と共同開発した、最新技術で体験者の顔に隈取を施す「変身歌舞伎」の体験ブースを設置して好評を博した。
▽「WORLD」はツーウェイツーリズムの重要性を強調
会議棟のレセプションホールで開催された「WORLD」では、日本旅行業協会(JATA)副会長の菊間潤吾氏が挨拶。「ツーリズムEXPOジャパンは海外、国内、訪日旅行が三位一体となった大きなイベントに成長した」と喜びを語った。菊間氏はそのほか、今年1月から8月までの出国者数が前年比5.6%増の1179万2400人と伸びていることについても触れ、北朝鮮のミサイル発射などによる需要減の可能性などの懸念がありながらも、「今年は1800万人台になるのでは」との見方を示した。
来賓として登壇した観光庁長官の田村明比古氏は「訪日旅行の急成長に注目が集まっているが、海外旅行も促進してツーウェイツーリズムを発展させることが重要」と強調。「日本が観光先進国をめざすなか、相手国の観光資源やサービスを知ることが大切」と語り、観光庁として2国間のハイレベル対話、官民合同ミッション団の派遣などに取り組む考えを語った。
そのほかには、国土交通副大臣の秋元司氏や、「ツーリズムEXPOジャパン」のスポンサーを務める、トラベルポートジャパンの代表取締役社長の東海林治氏が挨拶。ANAグループの社員による「ANA Team HANEDA オーケストラ」の演奏や、マジシャンチーム「WiZ」のショーも披露された。
なお、日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏によれば、「JAPAN NIGHT」を開催しなかった主な理由は「今年はBtoB関連のプログラムの強化に時間を要したから」。一方で、海外と国内・訪日に二分することで、それぞれの関係者がより深く交流を深められるよう配慮したという。来年の「JAPAN NIGHT」については、「しっかりと準備して開催したい」とのこと。